文/川口陽海
腰の反りが強いと、腰痛の原因になります。
今回はいつでもどこでも簡単に腰の反りを改善できる『腰丸めストレッチ』をご紹介します。
反り腰は腰痛の大きな原因!
腰は、土台である骨盤の上に、柱のように背骨が乗る構造になっています。
骨盤や背骨の周りには、腹筋や背筋をはじめとしてたくさんの筋肉があり、腰をしっかり支えながら身体を動かしたり姿勢を保ったりする役割をしています。
しかし、このバランスが崩れると、骨盤が前に傾き(骨盤前傾)腰椎は前弯、つまり腰の反りが強くなってしまうことがあります。
この骨盤前傾・腰椎前弯=反り腰が腰痛の大きな原因となります。
なぜ反り腰になるのか?
反り腰になる直接の原因は、腰椎や骨盤周囲の筋肉のバランスの崩れです。
腰を伸展させる脊柱起立筋や、股関節を屈曲させる腸腰筋、大腿直筋などが縮み、腰を屈曲させる腹直筋や、骨盤を後傾させる大殿筋、ハムストリングなどが弱まると、反り腰になります。
また、腰椎や骨盤周囲の筋肉のバランスが崩れる原因には、次のようなものがあります。
◆長時間のデスクワーク(PC作業)
◆体幹インナーマッスルや腹筋群の筋力低下
◆不良姿勢
◆運動不足
◆踵の高い靴
◆妊娠(女性)
集中してPC作業などをしていると、イスの背もたれを使わず、無意識で腰を反らしたまま長時間作業していることがあります。
このような姿勢を長時間とっていると、腰の筋肉が緊張して腰が反り、腰痛になります。
また体幹インナーマッスルや腹筋群などお腹側の筋力が弱くなると、背中や腰の筋肉で身体を支えることになり、やはり腰の筋肉の緊張から腰が反りやすくなってしまいます。
運動不足、体幹インナーマッスルや腹筋群の筋力低下、不良姿勢には関係があります。
運動不足から体幹インナーマッスルや腹筋群が弱くなると姿勢が悪くなり、また逆に姿勢が悪いと体幹インナーマッスルや腹筋群がうまく働かずに弱っていく、というように悪循環になる場合があります。
踵の高い靴は、体幹が弱い方がはくと腰の反りを強めてしまい、腰痛の原因になることがあります。
女性が妊娠してお腹が大きくなってくると、重心が前方に移動するため腰が反ります。
また腰を曲げるような動作はできなくなりますし、腹直筋など腹部の筋肉は大きく引き伸ばされてしまうため、十分に力が出なくなります。
そのため、とくにお腹が大きくなる妊娠後期に腰痛が出やすくなります。
普通は産後に自然と元に戻っていきますが、うまく戻らないと腰や骨盤が歪んだままになり、腰痛やその他の不調をおこすことがあります。
腰の反りを改善する『腰丸めストレッチ』
腰の反りを改善するストレッチは様々な方法がありますが、今回は腰痛トレーニング研究所で指導している、とても簡単にイスに座ったままできる『腰丸めストレッチ』をご紹介します。
(1)イスに浅めに腰かけ、軽く背筋を伸ばします。
(2)しっかり息を吐いてお腹をへこませつつ、ゆっくり5つ数えながら腰を丸めます
(3)また5つ数えながら、軽く息を吸いつつゆっくり頭を真上に上げていくような意識で腰を戻します。
(4)これを10回ほど繰り返します。
はじめは腰の硬さを感じると思いますが、何回か繰り返すとだんだんと腰が丸まるようになってきます。
また腰が硬くて全く丸まらない方もおられるかもしれませんが、続けることで効果があらわれてきます。
お仕事の合間などでもできますので、根気よく続けてください。
『腰丸めストレッチ』をおこなうことで、逆に痛みやしびれが増したり、不快感を感じたりする場合もあります。
そのような場合は速やかに中止してください。
あわせてこちらのページのストレッチもおこなうとより効果的です。
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文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
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