文/川口陽海
こんにちは!腰痛トレーニング研究所 の川口陽海です。
腰痛改善教室第4回は、テニスボールを使って腰をほぐすワザをご紹介します。
テニスボールで腰をほぐす方法は、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられることが増えていますので、ご存知の方も多いと思いますが、うまく効果を出すにはいくつかポイントがあります。
1.狙う場所
2.ボールの当て方
3.ポイントの探し方
4.ほぐす時間
5.ほぐした時の感覚
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.狙う場所
テニスボールを使ってほぐすのは、腰の筋肉です。
もっと正確に言うと、痛みの原因になっているこり固まった筋肉=トリガーポイントです。
トリガーポイントについて、より詳しくお知りになりたい方は以下のページもご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント治療
トリガーポイントリリースで腰痛撃退!
では具体的にどこを狙ったらよいか?
腰痛の原因となる主な筋肉は、下の図のような部分にありますす。
腰痛を改善するためにテニスボールで狙う場所は、主にこの3か所です。
(1)背骨のすぐ横 【脊柱起立筋・多裂筋】
(2)肋骨と骨盤の間((1)のやや外側) 【腰方形筋】
(3)お尻の上半分(骨盤の骨の下) 【中殿筋】
(1)背骨のすぐ横 【脊柱起立筋・多裂筋】
腰のあたりを手で触ると、背骨のすぐ横に筋肉の盛り上がりがあるのがわかると思います。これが脊柱起立筋です。その下に多裂筋も重なっていて、背骨を支えています。
これらの筋肉がこり固まってしまうと、下の図の赤い範囲のような、腰の周囲に痛みを起こします。
脊柱起立筋は背骨の両脇を腰から背中、首までつながっている長い筋肉ですが、腰痛の原因となるのは主に背中の半分から下くらいの部分です。
(2)肋骨と骨盤の間 【腰方形筋】
腰方形筋は、腰に手を当てた時にちょうど親指があたる部分にあります。
腰がつらい時に揉んだり押したりしたくなったり、押されると気持ちよい部分、というとわかるでしょうか。
腰方形筋は肋骨と骨盤をつないでいる筋肉で、腰を支えたりするはたらきがあります。
とくにずっと座りっぱなしでいたりするとこの筋肉に負担がかかってこり固まってしまい、下の図の赤い範囲のように、腰や骨盤周囲などに痛みを起こします。
(3)お尻の上半分 【中殿筋】
中殿筋は、お尻の上半分あたりにある筋肉です。
股関節を動かしたり、骨盤を支えたりするはたらきがあります。
腰がつらい時にこのあたりをトントンしたくなったり、実際にトントンすると少し楽になったりすることがあるかもしれません。
ずっと座りっぱなしや立ちっぱなしが続くと、この筋肉に負担がかかってこり固まってしまい、下の図の赤い範囲のように、腰や骨盤周囲などに痛みを起こします。
場合によっては腿の方まで痛みが出たりすることもあります。
まずはこれらの筋肉や部位をなんとなくイメージして頭に入れておきましょう。
2.ボールの当て方
ボールの当て方には少しコツがあります。
腰のあたりにボールを当てようとすると、つい腰を持ち上げて上から乗っかってしまうかもしれませんが、この方法だといきなり強い刺激がかかりますので、あまりおすすめできません。
下の図のように身体を傾けるようにして、ゆっくりとボールに体重を乗せるようにしましょう。
そして息を吐いて身体の力を抜いていきます。
とくにボールが当たるところの力をうまく抜くようにしてください。
多少痛みがあったりすると、つい当てている部分に力が入ってしまうと思いますが、そうすると筋肉が固まってうまくほぐれません。
あえて力を抜くようにすることで、奥の方までほぐすことができます。
グリグリと転がすように刺激するのは、痛みがある時にやると逆に痛みが増したりしますので、やらないようにしましょう。
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