文/川口陽海
・効果的なのが骨盤を安定させるトレーニング
・誰でも簡単にできる殿筋、ハムストリング、内転筋のトレーニング
新型コロナウィルスの流行により、外出もままならない状況が続いていますが、運動不足やストレスから腰痛がひどくなったりしていませんか?
運動不足やストレスにより筋力や体力が低下したり、血行が悪くなったりすると、痛みが悪化してしまうことがあります。
でも大丈夫!自宅で軽い運動をおこなうことで、腰痛を改善させることができます。
こんな時だからこそ、自宅で自分で腰痛を治していきましょう!
今回は、誰でも簡単にできて効果的な、骨盤を支える大腿・殿部のトレーニングをご紹介します。
前回、前々回の記事もぜひご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善!(その2)手軽に出来る3つの殿筋ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第39回】
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善! 自宅で出来る“殿筋ほぐし” 【川口陽海の腰痛改善教室 第38回】
骨盤を支える筋肉と腰痛
骨盤を支える筋肉はたくさんありますが、その中でも殿筋、ハムストリング、内転筋群などの筋力が弱くなったり、固くなったりすると腰痛の原因になることがあります。
殿筋とはお尻の筋肉のことで、大殿筋、中殿筋、小殿筋など、たくさんの筋肉があります。
ハムストリングとは太ももの裏側の筋肉で、大腿二頭筋、半腱半膜様筋などを言います。
内転筋群とは内ももの筋肉で、大内転筋、長内転筋、短内転筋などの総称です。
下の図は、右脚を後ろから見た際の筋肉の透視図です。
それぞれの筋肉がどのような配置にあるか、おおよそのイメージがわかりますでしょうか。
これらの筋肉は骨盤だけでなく、股関節や膝関節などを支えたり動かしたりする働きがあります。
しかしこれらの筋肉が弱くなると、骨盤や腰を十分に支えられなくなり、腰痛の原因となってしまいます。
また筋肉は様々な原因によりこり固まってしまうことがあり、これが長期間続くと、筋肉の中に発痛点“トリガーポイント”ができてしまいます。
この“トリガーポイント”も腰痛の大きな原因となります。
トリガーポイントについては本連載でもたびたび触れていますが、より詳しくお知りになりたい方は以下のページもご覧ください。
殿筋・ハムストリング・内転筋のトレーニング
殿筋、ハムストリング、内転筋のトレーニングは様々なやり方があります。
しかし腰痛がある場合、いきなり強い負荷のトレーニングをおこなうと、かえって症状が悪化してしまうことがあります。
腰痛などの慢性痛を改善する場合のトレーニングは、なるべく症状が悪化せず、安全におこなえるトレーニング法を選ぶ必要があるのです。
今回は、筆者の腰痛トレーニング研究所で指導している、誰でも安全に簡単にできるワイドスクワットトレーニングをご紹介します。
殿筋・ハムストリング・内転筋が強くなるワイドスクワット
ワイドスクワットは、殿筋、ハムストリング、内転筋が同時にトレーニングできる優れたトレーニング法です。
また、誰でも簡単にどこでもできて、膝など他の関節を痛める可能性が低く、安全におこなえます。
以下の画像を参考にやってみましょう。
足を広めに開き、つま先を45度くらいに外に向けます。
下腹を引っ込めるようにお腹を締めます。
膝に手を置くようにしながら腰を落とします。
できれば太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とします。
そこまで落とすのが無理な場合は、膝が45度曲がるくらいまで頑張ってみましょう。
そこから腰を上げていきますが、内ももとお尻を締める力で戻るようにおこないます。
膝で踏ん張ってしまうと、殿筋、ハムストリング、内転筋に効きづらくなってしまいます。
内ももやお尻を意識して使うようにすると、それらの筋肉に効いてきます。
一動作をゆっくり5~10秒くらいかけ、はじめは1日に10~20回程度、慣れて来たら少しずつ回数を増やし、40~60回を目標に頑張ってみましょう。
はじめのうちは筋肉痛が出るかもしれません。その場合は1~3日に1回程度から様子を見て、徐々にトレーニング日数を増やしましょう。
※ご注意)
痛みのためにこの動作ができない、またはこの動作をおこなうと症状が悪化する時はやめてください。
これらのトレーニングをする前に、前回ご紹介した殿筋ストレッチや、前々回ご紹介した“殿筋ほぐし”などをおこなうとより効果的です。
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善!(その2)手軽に出来る3つの殿筋ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第39回】
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善! 自宅で出来る“殿筋ほぐし” 【川口陽海の腰痛改善教室 第38回】
こちらもぜひおこなってみてください。
また、拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
こちらでも腰痛を改善する方法を多数ご紹介しておりますので、お読みいただけると幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
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文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
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