座っていると腰が痛い…。腰痛を予防する正しい座り方【川口陽海の腰痛改善教室 第144回】

長時間のデスクワークや、家で長い時間座ったままでいると腰が痛くなります。
ちょっとした座り方によって腰にかかる負担は大きく変わり、腰痛の予防ができます。
腰が痛くなりにくい正しい座り方を解説します。

大前提として、長時間座ったままでいることは腰痛になるリスクを高めます。

立っている時の腰の負担を100とした場合、座っている時は140、座って前傾姿勢では185にもなると言われています。（下画像）

そのため、よく言われることですが、腰痛予防には少なくとも30～60分に一度くらいは立って動くことが大切です。

しかし、なかなかそのような時間がとれなかったり、集中して作業しているとあっという間に数時間たってしまったりすることもあるでしょう。

日頃から座り方を工夫することで腰痛を予防、改善することができます。

イスへの正しい座り方

イスに座る場合に注意するのは次の４点です。

１）イスに深く座る
２）背もたれを使う
３）もも裏を使って座る
４）お尻の真上に頭

この４点ができていれば、腰に負担の少ない正しい座り方ができていると言えるでしょう。（下画像）

またイスの高さですが、両足の裏が床に楽に着くくらいが良いでしょう。足がぶら下がったり、膝がお尻より上に持ち上がったりするような高さだと負担があるかもしれません。

正しい座り方、それぞれの点について説明していきます。

１）イスに深く座る

まず、イスには深く座りましょう。深く座ることでつぎの２）、３）がおこないやすくなります。

２）背もたれを使う

良い姿勢で座ろうとすると、イスの背もたれを使わないで浅く腰かけて背筋を伸ばすことが多いと思います。

また長時間PC作業などをおこなっていると、段々前のめりの姿勢になって背もたれを使っていないことがあります。

どちらも背中や腰の筋肉だけで姿勢を支えますので、腰にかかる負担が高くなります。

深く腰掛けて背もたれを使うと、上半身の重さを背もたれに逃がすことができますので、腰にかかる負担が大きく減ります。

とくに長時間デスクワークをおこなうときには大事なポイントです。

イスによっては、深く座っても背もたれとの間に隙間ができてしまう場合がありますが、そのような場合はクッションなどを当てて隙間をうめると良いでしょう。

３）もも裏を使って座る

普通に座るとお尻（坐骨）で支えるような形になることが多いのですが、深く座って太ももの裏全体からお尻で支えるような座り方が良いでしょう。

こうすることで座面の面積を大きくすることができますので安定が増し、腰にかかる負担が減ります。

お尻や坐骨などのポイントで支える形だと、骨盤がやや不安定になって腰の負担が増えることがあります。

４）お尻の真上に頭

１）～３）がしっかりできていても、頭が前に出てしまうと猫背の前傾姿勢になり、腰の負担が増えてしまいます。

前傾姿勢にならないように、頭がお尻の真上にくるように意識してください。

以上が守られると、腰の負担は少なくなります。

しかし、繰り返しになりますが、長時間座りっぱなしが最大の腰痛リスクになります。

お仕事中でも30～60分に一度くらいは席を立って体を動かすようにしましょう。

その他のポイント

イスに座る時のクッションについてよく質問されるのですが、決定版と言えるようなものはなく、人によって使用感が変わりますので、色々なものを試してみないとわからないというのが実状です。

前記の４点を守り、使用感の良いものを使ってください。

またイスではなく、床などに直座りをする場合ですが、何も使わずに直座りすることが腰には一番良くない、と筆者は考えています。

短時間なら良いですが、長時間、習慣的に床座りするような場合は、ぜひ座椅子を使用してください。

座椅子の背もたれを使うようにすることで、腰にかかる負担を減らすことができます。

この記事があなたの腰痛改善にお役に立てれば幸いです。

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文・指導／川口陽海　厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ１万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい（発行：アスコム）」がある。
【腰痛トレーニング研究所／さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
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