日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

朝3 、昼5 、夜2 。夜のドカ食い厳禁

近年は一日2食という人が結構います。でも、一日に食べる総量が同じなら、食事の回数は多いほうが健康に良く、疲れも溜まりにくいのです。なぜなら、一度に摂る糖質量が減り、血糖値の変動が抑えられるからです。

しかも、2食派の多くが朝食を抜いており、夕食を抜くという人はまずいません。それどころか、夕食にドカンと食べる傾向にあり、次のようなパターンを繰り返します。

1.朝は胃がもたれていて食欲がないから、つい抜いてしまう

2.朝を抜いたので、ランチタイムは腹ぺこでドカ食いする

3.ドカ食いのせいで数時間後に低血糖を起こし、疲労感や眠気、空腹感に襲われる

4.低血糖の空腹感で夕方までになにか食べ、夕食の時間が遅くなる。あるいは、空腹を我慢し続けていた分、夜にドカ食いする

5.1に戻って、朝食を抜いてしまう

このサイクルにはまると、胃腸がいつも疲れた状態になります。

また、食事に含まれる糖質の摂取量はどうしても夜に多くなります。しかし、夜は食事を終えたら寝るだけ。寝ている間はエネルギー消費も極端に落ちるので、ブドウ糖の使い道がなく、太りやすくなります

一方で、糖質を摂っても、その後すぐに運動すれば血糖値が上がりにくいことがわかっています。朝食や昼食の後は動くことが多いので、夕食後よりは血糖値の上昇を抑えやすいのです。

一日3食の場合の食事量については、朝食3、昼食5、夕食2の割合が理想です。

その中で、米飯やパンなどの糖質はなるべく朝食に回し、昼食では定食のようなバランスのいいものをしっかり食べ、夕食は糖質抜きでお酒のつまみ程度で済ませましょう。

夕食にドカ食いは厳禁。とくに、糖質のドカ食いは厳禁です。

私は極力、夜に炭水化物を摂らないようにしています。

***

世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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