文/満尾正
新型コロナウイルス感染症など、さまざまな病気に負けないための「免疫力」は、日々の食事や生活習慣の改善によって、大幅に高めることができるそうです。しかし、巷に溢れる健康や免疫力に関する知識は刻一刻とアップデートされ、間違った情報や古びてしまったものも少なくありません。コロナ禍の今、本当に現代人が知っておくべき知識とは何でしょうか。著書『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』が話題の満尾正医師が解説します。
同じ量の運動をしても、男性のほうが女性よりムキムキになりやすいのは、男性ホルモンの力によります。
一方で、ムキムキならぬブヨブヨの男性が多いのも事実です。
実は、筋肉と脂肪は、もとの細胞(幹細胞=ステムセル)は同じです。その細胞が男性ホルモンの刺激を受けることで「これは筋肉に変わらなくてはいけない」と判断し筋肉となりますが、その刺激が来ないと脂肪になって太ってしまうのです。つまり、ブヨブヨ男性は、刺激となる男性ホルモンが減少していると考えられます。
男性ホルモンの減少には、糖分の摂取が関わっていることがわかっています。
マカロン、パンケーキ、タピオカ……最近は男性も抵抗なく甘い物を食べるようになりました。コンビニスイーツの開発者も、男性客のニーズをかなり意識していて、実際に売上を伸ばしているようです。
私自身、和洋問わずスイーツは嫌いではありません、しかし、私は子どもの頃、甘い物を食べると父親から叱られました。父は明治生まれの頑固者でしたが、べつに「男らしさ」について言っていたのではありません。甘い物を食べてブヨブヨになれば男性機能が落ちることを知っていたからです。
スイーツ好きの男性にはショックでしょうが、「甘い物→メタボ→男性機能低下」という図式が明確に成り立つのです。清涼飲料水、缶コーヒー、栄養ドリンクなどにもケーキや饅頭と同じように砂糖がたっぷり入っています。
あるいは、白いご飯やパン、麺類などを、もりもり食べているとしたらこれもアウト。ブヨブヨ男性への道まっしぐらです。
満尾正(みつお・ただし)/米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ「究極の健康資産」の作り方』(小学館)など。