入居中に介護が必要になったらどうする?
サ高住は賃貸住宅なので、自宅にいるのと同じ扱いとなる。だから介護が必要になると、入居者が介護サービス事業所と契約し、訪問介護を受けたり、デイサービスに行ったりすることになる。これが、24時間介護スタッフが常駐し、介護サービスを提供する介護付き有料老人ホームとの一番の違いだ。
同じ建物に介護サービス事業所が入っているサ高住もあるが、これはテナントとして入っているのであって、いつでも介護サービスが受けられるというわけではない。あくまでも契約した時間だけしか介護サービスを受けることはできないので注意が必要だ。
サ高住にかかる費用は?
一般的な賃貸住宅と同じように、敷金2か月と家賃がかかる。ただし礼金と更新料は不要だ。サ高住の運営会社によっては仲介手数料が必要なところもある。
入居費用は、家賃、共益費、生活相談・見守りサービス費で、全国平均で月額約10万円前後。そのほか食事代(食事をした場合)、オプションサービスを利用する場合はその利用料金が、介護が必要になれば介護費用もかかる。
サ高住を探すには?
「サービス付き高齢者向け住宅情報システム」で検索することができる。都道府県から検索できるほか、家賃や提供サービスなどの詳細条件からも検索できる。
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https://www.satsuki-jutaku.jp/
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以上、今回は「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」の基本的なところを解説した。
サ高住は初期費用が比較的安く済むことから、前払い金が高額になることの多い有料老人ホームなどと比べると入居しやすく、退居しやすい。これはサ高住のメリットだと言えるだろう。
終の棲家として自宅を処分して入居するといった大きな決断をしたくないと、自宅をそのままにしてサ高住に住み替えている人もいる。介護が必要になって施設や介護付き有料老人ホームに入る前段階として、あるいは退院後自宅に戻る自信がないときなどにサ高住を利用するという方法もある。
サ高住のメリットを生かした住み替えは、老後の住まいとして検討に値すると言えるだろう。
取材・文/坂口鈴香
終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。