人生100年時代と言われるようになって久しいですが、もし60歳で退職すると残りの人生は30~40年あることになります。リタイアした後の人生をどのように過ごすか、考えていますか? のんびりしたい、好きなことをしたいとは思っていても、それだけでは時間を持て余すことになるかもしれません。

「定年後は会社のやり方に縛られず、自分軸で働ける絶好の機会です」と断言するのは、キャリアコンサルタントの金澤美冬さん。定年前の準備や定年後のセカンドキャリア支援を通して、多くのシニアのセカンドライフをサポートしています。

今回は金澤美冬さんの『誰でも稼げる小さな仕事』(宝島社)より、老後に必要なお金についてご紹介します。まずは現状を知ることから始めてみませんか。

監修/金澤美冬

60歳直前に迎える役職定年で収入激減

健康である限り働き続けるか、それとも趣味に旅行にと悠々自適な生活を送るか。老後の過ごし方は人それぞれですが、経済的な安定は欠かせません。そこでまずは、定年後の年収について見ていきましょう。

国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、2021年の給与所得者の平均年収は、60〜64歳の男性537万円、女性262万円となっています。

現在、多くの企業が「継続雇用制度の導入」を行ない、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施していますので、ある程度の年収は確保されていることでしょう。ただし65〜69歳になると、男性423万円、女性216万円に減少し、70歳以上になると男性369万円、女性210万円とさらに減少していきます。

定年後を見据えて、現役時代に少しでも貯蓄しておこうと考える人は多いはずです。しかし、そこには「役職定年」という壁が立ちはだかります。会社によって違いはありますが、55歳、あるいは57歳に達すると管理職から非管理職社員に戻される制度のことで、年収も下がります。年収アップは役職定年でストップするということを頭に入れておく必要があります。

老後の出費を試算し無用な不安を解消

老後の家計が心配な人も多いはず。その不安を解消するためにも、定年後の生活費を具体的に試算してみましょう。

生活費は大きく3つに分けられます。まず、食費、被服費、水道光熱費などの「日常生活費」。趣味や旅行などにかかる「一時的な出費」。そして、ケガや病気、介護などに必要な「医療費や介護費」です。日常生活費は削るわけにはいきませんが、一時的な出費は抑えることができます。つまり、「1か月の日常生活費×12」で、年間のおおまかな支出が見えてきます。

では、万が一に備えるために貯蓄はいくらあれば安心でしょうか。総務省の「家計調査」(2021年)によれば、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均は1880万円、負債現在高の平均は567万円です。

負債の大半を占めるのは住宅・土地に関するものです。これは年々返済され縮小していくため、60代の純貯蓄額(貯蓄から負債を引いた額)は平均値を上回る約2300万円となります。

また、国民年金も家計をサポートしてくれる大事な存在。20〜60歳までの40年間、所定の国民年金保険料を支払えば、満額の年77万7800円(2022年度の例)を受け取れます。

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『誰でも稼げる小さな仕事』(金澤美冬 監修)
宝島社

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金澤美冬(かなざわ・みふゆ)
2004年、早稲田大学政治経済学部を卒業後、三菱倉庫株式会社に入社。2010年よりキャリアコンサルタントとして活動開始。2018年にプロティアン株式会社(旧EDUCI)を設立。定年前の準備や定年後のセカンドキャリア支援のための「おじさんLCC(ライフキャリアコミュニティ)」および、おじさんによるおじさんのためのセミナーを運営している。時事ドットコムで「令和おじさん進化論」連載中。

 

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