夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火曜日は「暮らし・家計」をテーマに、進藤晶子さんが執筆します。

文/進藤晶子

「こんなふうになりたいなあ」

同性ながら、ほれぼれしてしまう方との出会いは、私の財産です。

いつも笑顔で迎えてくださる佐々木かをりさん。小柄なのに、誰よりもバイタリティにあふれていて、お話しているうちに「この先、道が開けてきそう」という気持ちにさせてくださいます。

TBS時代に初めてお目にかかって以来、折に触れてお会いし、そのたびにそっと背中を押していただいています。先日、私が初めて朗読コンサートをプロデュースした際も、資金集めの方法に関して「クラウドファンディングはどう? 私が主催している『国際女性ビジネス会議』でもね……」と、様々なアドバイスをいただきました。

佐々木さんは、70の言語に対応した通訳・翻訳・コンサルティングを請け負う「ユニカルインターナショナル」と、働く女性の声を発信するサイト「ewoman」、ふたつの会社を設立された女性起業家です。

意欲あふれる女性が集い、様々なテーマについて議論するだけでなく、独自の視点から生まれた商品も世に送り出すWEBサイト「ewoman」は、高校時代からご両親の経済的な支援は一切受けずに、たくさんの夢を実現してこられた佐々木さんの、しなやかな生き方そのものだなあ、といつも感じています。

前述の「国際女性ビジネス会議」は今年で23回目を迎え、毎年、ビジネス、経済、教育、健康、政治、国際問題など、様々なテーマのプログラムが組まれています。昨年、初めて取材させていただきましたが、会場に身を置くだけでも刺激を受ける、そんな熱気に包まれていました。

会議の冒頭、佐々木さんの口から発せられた“Think big.”「大きく空想を広げよう」という言葉は私の胸に響き渡り、閉じていた私の思考のドアが開かれるようでした。

ガマンしない、やりたいことの時間を予約する

佐々木さんから影響を受けたことのひとつが、時間管理術です。

「自分の時間を予約する」

これが佐々木さんの極意。

仕事やプライベートも子育ても、どうしても外したくない予定は先にどんどん自分の手帳に予約していく。

「仕事が多忙でも、ほかにやりたいことがあるなら手帳の“19時〜21時”を先に四角く囲って確保してしまうの。すると、その前後の時間が見えるようになる。“空いているこの30分”で、原稿を書いたり、打ち合わせをしたり。そうすると結果的に、全部できてハッピー! つまりこれは、やりたいことをガマンしない、ガマンはやめましょうっていう手帳なの」。

確かに、いただくメールはスイスへ向かう深夜便の機内から送られてきたり、移動の車の中からだったり。

いつも生き生きと楽しそうな佐々木さんを支えているのは、日々の過ごし方にあったのか!と大納得でした。

さらに、その時間管理の技をカタチにしてしまう。
ロングセラー商品『アクションプランナー』は、朝から夜までの予定を30分刻みで書き込むことができる手帳です。今でこそめずらしくないスタイルですが、発売当時は画期的で、フルタイムで働いていた頃の私の必需品でした。この、自分にとって有効な方法はみんなで共有しましょう、という姿勢もカッコイイ!

とはいえ、家族中心の生活を送る現在の私は「やらなければいけないこと」優先になっています。夫と子どもと私、3人のスケジュールを把握するには手帳では書き込みきれず、出産後は大判のカレンダーを切り取り、活用しています。二つ折りにしたカレンダーを鞄から取り出すと、ママ友にはギョッとされちゃうんですが(笑)。

でも今回我が予定表を眺めているうちに、発見と反省点がありました。

(1)予定が箇条書き
(2)時間の並びが乱雑

こりゃあ、約束の羅列でしかなく、“時間”の管理になっていないのでは!?

毎日、1日の終わりに「やれやれ、今日も無事に終わった〜」とため息をついているのがその証拠。ひょっとしたら、時間軸に置き直してみると、もっと1日を有効に楽しめるかもしれません。そろそろまた、アクションプランナーを引っ張り出してみようかな(笑)。

「自分のやりたいことを実現してハッピーに!」

そうは言っても1日は24時間。会社をふたつ経営し、海外と日本を行ったり来たり、超ご多忙の佐々木さんは時間をうまく活用するのにも限界があるのでは? と、ひそかに思っていました。が、その謎が最近解明されたのです。

「やりたいこと」と「やるべきこと」をつなげる技術

佐々木さんの呼びかけで発足した「ゴスペルを歌う会」に、以前からお誘いいただいていたのですが、なかなか参加できずにいました。今年、いよいよ私もメンバーに加えていただき、練習を重ねるうちに見えてきたのは、佐々木さんは「ふたつのことをつなげる名手」でもあるということ。

もう長い期間お母様の介護もなさっているのですが、ここのところ入院されている病院に、ゴスペルのメンバーで訪問しミニコンサートを開催されているのです。確かにこれなら自分の楽しみを我慢したり、変な罪悪感を感じたりすることなく、お母様のお見舞いや、お世話になっている皆さんへの感謝の気持ちも表せて、八方丸くおさまりますものね。

佐々木かをりさん、松谷麗王先生と、練習スタジオで。笑顔ですが、実は2時間歌いっぱなしでヘロヘロでした。

さらにこんなこともありました。メンバーの中にはお子さんを持つキャリアウーマンが多いのですが「ゴスペルの練習の時間に、うまく子供のお稽古ごとを重ねているわよ〜」とのこと。なるほど、その手があったか! 目から鱗のアイデアでした。

まだまだ歌える曲も少なく、体を揺らしたり、手を空にかざしたりする余裕は皆無。音程を取るので精一杯の新米ゴスペラーですが、早くコンサートにも登場できるよう、送ってくださる曲の音源を夜な夜な聴いて練習に励む、私なのでした。

文/進藤晶子(しんどう・まさこ)
昭和46年、大阪府生まれ。フリーキャスター。元TBSアナウンサー。現在、経済情報番組『がっちりマンデー!!』(TBS系)などに出演中。

 

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