以下のアドバイスを参考に、できるだけ早く通常の生活へ復帰しましょう!
Q.動いていいの?良くないの?
A.3日以上の安静は回復が遅くなります。できるだけ日常生活を続けるのが回復の早道。
腰を痛めた直後には痛みで動けないか、動くのがとても怖いかもしれません。
まずはあまり痛まない姿勢でしばらく安静にしましょう。
少し休むことで痛みがやわらぐことも多いので、できたら横になって楽な姿勢をとってください。
●横向きで膝を曲げ、身体を少し丸める
●仰向けで膝の下にクッションなどを入れ、軽く膝を曲げる
などの姿勢が良いでしょう。
数十分~数時間安静にすると、少し動けるようになるかもしれません。
動いても多少の痛みがあるくらいなら動いても良いと思います。
動くと激しい痛みがある、とても動けそうにない、という状態でしたら、1~3日程度は安静にした方が良いでしょう。
ただし、3日以上の安静は、かえって回復が遅くなってしまうということがわかっています。
長期にわたって安静を維持したり、仕事や学校を休んだりした場合は回復が遅れます。
数日間の安静でも筋力や体力が低下し、その結果回復が遅くなってしまうのです。
痛みで全く動けないなら別ですが、少しずつ動き、できるだけ仕事や学校、家事など日常生活を続けた方が筋力体力を維持することができて、回復が早いのです。
無理をする必要はありませんが、痛みに負けず(この気持ちが大事!)、できるだけいつもどおりの生活を送ってください。
またストレッチなどの運動ですが、それをすることで気持ちよさがあったり、痛みが楽になったりする感じがあればやっても良いでしょう。
しかしストレッチをしようとすると強く痛む、またはやったあとにかえって痛みが増す、というような場合はやめておきましょう。
Q.薬は飲んだ方がいいの?良くないの?
A.消炎鎮痛薬は炎症を抑え、回復を早めます。
腰痛になった直後、または強い痛みがある時に最も大切なのは、炎症や痛みを抑えることです。
炎症は痛みからの回復を遅らせ、強い痛みは筋肉を緊張させてさらに痛みが強くなるという悪循環の原因になります。
研究の結果、腰痛には一般に市販されている消炎鎮痛薬(飲み薬)が効果があるとの結論が出ています。
『痛み止めは痛みをごまかすだけだから』とか『薬はできるだけ飲みたくない』などの理由で飲まない方もいらっしゃいますが、原則的には消炎鎮痛薬を使った方が治りは早いでしょう。
大事なことは、薬で痛みを楽にしてできるだけ動く、なるべくいつもどおりの日常生活を続ける、ということです。
薬を飲まずに痛みを我慢してると、余計に痛みが増してしまう場合もありますので、とくにギックリ腰の初期段階では消炎鎮痛薬を使うことは大事、と私はアドバイスしています。
病院で処方されている場合はもちろんそれでも大丈夫ですし、自分で購入する場合は、薬局やドラッグストアで薬剤師さんに必ず相談しましょう。
Q.温めた方がいいの?冷やした方がいいの?
A.患部が腫れていたり熱い感じがあれば冷やしましょう。
温めていいのか?、冷やした方がいいのか?、は良く聞かれる質問です。
患部が腫れたり熱感があったりするのは炎症がおきているということですから、冷やした方が良いでしょう。
ある程度の腫れや熱感が引くまでは、氷をビニール袋に入れたものや氷嚢、冷感湿布などで患部を冷やしましょう。
しかし炎症(腫れや熱感)がない場合、人によっては冷やすとかえって痛くなったり、温めた方が楽になったりすることも少なくありません。
温めて気持ち良かったり楽になったりするのであれば温めても大丈夫です。
Q.コルセットや腰痛ベルトは使った方がいいの?良くないの?
A. 一時的にコルセットを使うこともおすすめです。
痛みが強く、身体を動かすのに不安がある場合、一時的にコルセットを使うこともお勧めです。
スポーツショップなどでスポーツ用の固定力の高いものが販売されています。
腰痛用にもたくさんの種類があります。
これらを装着すると腹圧を高める補助となり、動作が楽に安心になります。
しかし長期間の使用は、かえって筋力低下を招く場合がありますので避けましょう。
ギックリ腰がなかなか治らなかったら?
ほとんどのギックリ腰は、前記のように1~1か月半程度で完治します。
しかし次のような要因が重なると、なかなか治らず慢性化してしまう場合があります。
◆過労
◆睡眠不足
◆ストレス
◆運動不足
◆栄養不良
ある程度症状が良くなったけど完全に治らない、というような状態が2ヶ月以上続くようでしたら、医療機関やその他専門家に相談された方が良いでしょう。
またそのような場合はこちらの過去記事が参考になるかもしれません。
長引く腰痛や坐骨神経痛を早く治すには?【川口陽海の腰痛改善教室 第3回】
ぜひお読みください。
文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
http://www.re-studio.jp/index.html