指導/宮腰圭(整体家)
前回は腰回りの筋肉を鍛えることは、腰痛予防の基本中の基本というお話をし、大腰筋を鍛えるための方法についてご紹介しました。(1日一回30秒!整体家が考案した腰痛を和らげる「足振り体操」のやり方)
一口に腰痛といっても、痛みが出る箇所は人によって違い、腰全体に広く痛みを感じるという人もいれば、右側だけ痛いとか、左側だけ痛いという人もいますよね。
今回は、左右差のある腰痛について考察していこうと思います。片側だけの腰痛には、二つの要因が隠れているのです。
■片側だけの腰痛が起こるメカニズム
片側だけの腰痛が起こってしまう原因の一つは、いつも同じ側ばかりを痛めてしまうような環境要因があるということです。
例えば、仕事でいつも左側ばかり向いているとか、右にからだをねじって同じ動作ばかりしているというように、1日の大半を占めている偏った動作などの影響で、痛みが出てしまうのです。
もう一つの要因は、骨格自体がすでに同じ側ばかりが痛くなるような形にゆがんでいることです。
例えば、腰が右に傾いている人は、左の筋肉が常に引き伸ばされています。筋肉が伸ばされると中にある血管も同じように引き伸ばされ、血流が悪くなるため、気がつけば、いつも左側に張りや痛みを感じるのです。
反対に、収縮している右の筋肉は、倒れてくる上半身の重さで血流が悪くなり、日によっては右側の腰が、重かったり、中が詰まっているような感じがします。
■片側だけに腰痛がある人のための体操
右なら右、左なら左といつも決まった側だけに症状がある方に、おすすめの体操が次にご紹介する体操です。
この体操はあくまでも片側に出ている腰痛を和らげるためのものですから、両方に腰痛がある方、右が痛い日があれば左が痛い日もあるといったような方はこの体操を行う必要はありません。
(1)あお向けに寝て両ひざを立てる。足は肩幅くらいに開き、ひざは90度くらいに曲げる。
(2)両方のひざの内側をくっつけるようにする。内股気味に足を置くとやりやすいです。
(3)右の腰が痛い人は右のひざで左のひざの内側に小さな円を描く。左の腰が痛い人は左のひざで右のひざの内側に小さな円を描く。
(4)前まわりに10回、後ろまわりに10回それぞれ円を描く。1回30秒。1日何回でも。
ポイントは、両ひざの内側をこすりあわせるようなイメージで円を描くことですが、円を描かないほうのひざも円を描くほうのひざに合わせて、少し動かすのがうまくできるコツです。
この体操も以下の点に注意してください。
□ ギックリ腰、または腰の痛みが強い時は行わないこと。
□ 股関節、膝、足首などに強い痛みが発生した場合は、必ず中止すること。
片側の筋肉が押しつぶされて収縮している状態が長期にわたって続くと、つぶされた側の筋肉は少し縮んだサイズが正常になってしまうことがあります。そうすると何かの拍子に軽く引っ張られたり、ほんの少し伸ばされただけでも筋損傷が起こりやすくなりますし、背中や腰であれば「ピキーン!」と裂けるような鋭い痛みも出やすくなります。
片側の腰痛についても著書『1日30秒足を振るだけでしぶとい腰痛が消える本』で詳しく解説しています。お悩みの方はぜひ手に取っていただければと思います。
監修・構成/宮腰圭
取材・文/庄司真紀
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