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前列中央から時計回りに、ご飯、野蕗のきゃらぶき、煎り豆腐(人参)、鶏そぼろ、漬物(胡瓜と人参の糠漬け・壬生菜・刻み沢庵)、焼き海苔、ごんげん蒸し、大根おろし(葱・鰹節・胡麻)、納豆(葱)、絹さやの浸し(鰹節)、味噌汁(豆腐・若布・葱)、中央右は焼き鮭、左は蒲鉾と山葵漬け。今朝は小鉢に盛っているが、常備菜のきゃらぶきや煎り豆腐、鶏そぼろ、加えてごんげん蒸しなどは大皿で登場し、取り分けていただくことが多い。絹さやは昨夜の残りを浸しに。蒲鉾は、山葵漬け(静岡『野桜本店』の激辛口)をつけて食す。焼き海苔は東京・品川の『みの屋海苔店』のものを愛食。焼き海苔とごんげん蒸しの器の模様は、定紋である揚羽蝶。

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重要文化財の茶室が特別公開中!京都・金戒光明寺の個性あふれる茶席「淀看席」【京の冬の旅 特別公開その2】

いま京都では第51回「京都冬の旅」キャンペーンが実施されている。今回のテーマは「大政奉還150年記念」。江戸時代末期の慶応3年(1867)、徳川15代将軍慶喜は政権を朝廷に返上。ここに日本の近代化が始まった。

それを記念して幕末ゆかりの寺院を中心に14か所で、日頃は非公開の文化財が特別公開される。

前回紹介した金戒光明寺に、西翁院という塔頭(たっちゅう、寺院内の小院)がある。天正12年(1584)の創建で通常は非公開寺院だが、今回のキャンペーンで特別公開されている(~3月18日まで)。

この寺院には、江戸時代初期に活躍した茶人・藤村庸軒(ふじむらようけん、1613~1699)ゆかりの茶室・淀看席(よどみのせき、重文。澱看席とも記す)がある。茶の愛好家のみならず、日本の伝統建築に興味ある人に必見の茶室である。

金戒光明寺 西翁院 茶室「澱看席」露地1

露地から見た「淀看席」。奥に躙口、その上に横長の「連子窓(れんじまど)がある。手前右手の小さな窓は「淀看窓」。この窓を通して淀が見えたという。

藤村庸軒は、伊勢の大名藤堂家(とうどうけ)出入りの呉服商十二屋の当主。儒学を学び漢詩文にも通じていた。茶の湯は、当時の一流茶人だった小堀遠州や千利休の孫・千宗旦(せんそうたん)に学んだ。淀看席は庸軒が造った貴重な遺構である。茶席の名称「淀看」は、この茶室が、はるか淀方面まで見える高台にあるからという。

茶室の広さは3畳。西面に茶室の入口がある。膝を屈して躙(にじ)るようにして入るのでその入口を「躙口(にじりぐち)」という。躙口を入ると、正面に床(とこ)がある。茶室の床は、掛軸や茶花を飾る場所。いわば最も重大にしてかつ神聖な場所といえる。

金戒光明寺 西翁院 茶室「澱看席」露地2

露地から「澱看席」の躙口(にじりぐち)を望む。

床の隅には本来柱が見えるはずである。しかし柱が見えたのでは、まさに角が立つ。そこで壁土で柱を塗り隠し、床の雰囲気を和らげる。こうした床を「室床(むろどこ)」といい、茶聖と称えられている千利休(せんのりきゅう、1522~1591)が考案したものである。

この茶室にはもうひとつ大きな特色がある。わずか3畳の広さだが、2畳と1畳の間に仕切り壁があり、その壁にはドーム型の火灯口が設けられている。2畳は客座、1畳は主人が茶を点てる点前座(てまえざ)である。

こうした構成は発案者の千道安(せんどうあん、千利休の長男)や平野宗貞(ひらのそうてい、堺の茶人)の名を取って「道安囲い」、「宗貞囲い」とよばれる。斬新な構成だが庸軒のころはすたれていた。庸軒は先人のアイディアを積極的に取り入れ、茶の湯に新しい風を起こそうとしたのだ。

金戒光明寺 西翁院 茶室「澱看席」

淀看席内部。左手が床(とこ)、右手が「道安囲い」の仕切り壁。壁の手前が客座、奥が点前座。

一説によれば道安は足が悪く、客に点前の姿を見られたくないからこの仕切り壁を思いついたという。実際はこの壁により、亭主の客に対する謙虚な気持ちが表され、侘び茶の心を見事に表現しているといえる。

いつもは見られないこの貴重な茶室を拝見できる、絶好の機会。ぜひお出かけいただきたい。

【金戒光明寺 西翁院】
■住所:京都市左京区黒谷町33
■公開日:2017年1月7日(土)~3月18日(土)
■時間:10時~16時(受付終了)1月14日(土)・15日(日)は拝観休止
■料金:大人600円(個人は予約不要)
■問合せ先:京都市観光協会 電話075・213・1717

※ 第51回 京の冬の旅キャンペーン公式サイト
https://kyokanko.or.jp/huyu2016/

取材・文/田中昭三
京都大学文学部卒。編集者を経てフリーに。日本の伝統文化の取材・執筆にあたる。『サライの「日本庭園完全ガイド』(小学館)、『入江泰吉と歩く大和路仏像巡礼』(ウエッジ)、『江戸東京の庭園散歩』(JTBパブリッシング)ほか。

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