オートバイ情報誌に掲載されていたスズキの『GF250S』を購入

クルマとオートバイの両免許を取得した後、哲也さんはオートバイの購入を検討します。この時、既に憧れているクルマはあったのですが、お金の蓄えや余裕の問題から購入を考えることはありませんでした。

オートバイ情報誌に掲載されていた「たいへん凝った造りなのにマイナーな1台」というコメントに惹かれ、スズキの『GF250S』に興味を抱いた哲也さん。実際にGF250Sを目の当たりにすると「不人気」と称されたスタイルも魅力的に見えたため、購入を決めます。

GF250Sのことを調べるうちにスズキのオートバイが持つ先進性に気が付き、哲也さんのスズキ好きが加速します。

GF250Sのことを調べるうちにスズキのオートバイが持つ先進性に気が付き、哲也さんのスズキ好きが加速します。

「スズキは世界で最初に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンをバイクに乗せたんです。そのオートバイは『GS250FW』というのですが、GF250Sはその後継モデルになります。下のトルクが細かったので、(回転数を高く)回して乗る必要がありました。郊外の走行は気持ち良かったのですが、町なかでは少し気をつかいましたね」

町乗りにツーリングにと、どこへ行くにも哲也さんと一緒だったGF250S。しかし購入から2年半を過ぎた頃、突然、出先でエンジンが不調となり、程なくして動かなくなってしまいます。

「簡単な部品交換くらいで直ればよかったのですが、この時はどうしようもなくて……。父親に頼み、軽トラで迎えにきてもらいました。マン研(マンガ研究会)の面々と分解してみたらコンロッドが折れていて、途中から3気筒で走っていたことが分かりました。そりゃあ動かなくもなりますよね」

修理は困難な上、お金もかかると判断した哲也さんは、泣く泣くGF250Sを廃車にします。同じ頃、同じマンガ研究会に所属する同級生がヤマハの『FZ250フェーザー』を手放すことを検討していたため、「渡りに船」とこれを買い取りました。

GS250FWの次に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンを搭載したフェーザー。哲也さんも感心した排気音は、フェーザーを代表する特徴のひとつ。

GS250FWの次に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンを搭載したフェーザー。哲也さんも感心した排気音は、フェーザーを代表する特徴のひとつ。

「フェーザーは小型で取り回しがよく、町なかで乗りやすい、女性にも人気のあったバイクでした。なにより排気音が良かったですね」

大学3年生になってから、哲也さんは実家を出て一人暮らしをはじめます。よりマンガに専念できる環境を得たからか、この後、マンガの投稿や持ち込みで幾度か大きな賞を獲得。この時の賞金で、ついに念願だった“とあるクルマ”の購入を果たします。

そのクルマとは……。【後編】へ続きます!

取材・文/糸井賢一(いといけんいち)
ゲーム雑誌の編集者からライターに転向し、自動車やゴルフ、自然科学等、多岐に渡るジャンルで活動する。またティーン向けノベルや児童書の執筆も手がける。

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