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【私のクルマ遍歴】スカイラインとカローラレビンを売却し、ついに出会った、BMW『E36』の高性能チューニングカー『M3』(後編)

取材・文/糸井賢一(いといけんいち)

ただの乗り物なのに、不思議と人の心を魅了する自動車とオートバイ。ここでは自動車やオートバイを溺愛することで歩んだ、彩りある軌跡をご紹介します。

愛車と愛猫「まなつ」ちゃんとの一枚。猫を飼っているクルマ好きなら、憧れる光景です

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クルマ趣味を楽しみながら、独立開業を目指す金子哲浩さん(57歳)。しかしバブルの崩壊により、独立開業に黄色信号が灯ります……。

【前編】はこちら

はじめてのメカチューン。ちゃんと完成させたことで大きな自信に

1990年代初期に起こったバブル崩壊による景気の後退は、哲浩さんにも暗い影を落とします。印刷業界の低迷を目の当たりにし、それまで目指していた独立開業をためらわせます。

「独立開業のために資金を貯めていたのですが、景気の先行きが読めなくなって……。独立をあきらめ、資金でクルマを買うことに、心が大きく傾きました。実際にBMW『325iハルトゲ仕様』の購入を検討し、(東京都の)青山にあるショールームまで見に行きました。そんな中、勤めていた会社の社長から『独立したいのなら、するべきだ』と、檄を飛ばされたんです。苦労することは分かっていたのですが、『応援してくれる人がいるのなら』と、あらためて独立開業を目指すことにしました」

29歳を迎えた年。哲浩さんは勤めていた会社を円満退職し、写植の個人事務所を開設。『325iハルトゲ仕様』をあきらめ、引き続きトヨタ『チェイサー』に乗り続けます。その一方で、『チェイサー』も古くなってしまったことと、NAエンジンを搭載したクルマが欲しくなったため、トヨタ3代目『カローラレビン(TE71型)』を、友人から購入します。

友人の弟さんが所有していたカローラレビン。事故により長く放置されていたのを買い取ったそう

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「レビンは『レビンS』という、競技車のベース用に位置づけられたグレードです。一度、自力でメカチューンをやってみたかったので、実家の倉庫に持ち込んでエンジンをおろし、本を見ながら分解作業を始めました」

半年かけてオーバーホールとメカチューンを完成。排気量は2リッターに拡大し、トルクの太いエンジンに生まれ変わりました。独立直後の忙しさや不安感を紛らわすのにも、地道な作業はうってつけだったようです。また、最後までやりきったことは、哲浩さんにとって「何事もやればできる!」という自信に繋がりました。

エンジンに足回りに、高いバランスを誇るBMWを購入

独立開業から3年が経ち、業務が落ち着いた頃。チェイサーのヤレ(経年劣化)が気になるようになりました。「今度はNAで足回りのしっかりした車が欲しい」との思いから、日産の9代目『スカイライン(R33型)』を新車で購入します。

「購入したのは『GTS25タイプS』というグレードです。足回りやボディ剛性は期待以上に良かったのですが、個体のせいかエンジンがまったく回らず、『本当に(カタログ通りに)200馬力出ているの?』と、疑ってしまうほどでした」

マイナーチェンジ前に駆け込みで購入したため、ボディーカラーを選べなかったそう

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パワーに不満はあったものの足回りと乗り心地の良さから、哲浩さんはスカイラインに5年ほど乗り続け、2度目の車検を機に乗り替えを決めます。次のクルマには「足回りも大切だけど、パワーの余裕も大切」と、かねてより高いバランスに定評のあるBMWを検討し、情報を集めます。

そしてスカイラインとカローラレビンを売却し、横浜にある輸入車の中古車専門店にて、BMW『E36』セダンモデルをベースとした高性能チューニングカー『M3(M3C型)』を購入。納車後、哲浩さんはあまりの速さに驚き、「ひょっとして、とてもヤバいクルマを買ったのでは?」と、嬉しさ半分、恐さ半分の胸中だったそうです。

ところが程なくして、エンジンのオイル漏れから深刻なトラブルが発覚。修理には半年ほどの入庫期間を要しました。手元に戻ってからも細かい不具合が続出するのですが、カローラレビン時代に培った技術と気の持ちようを発揮し、自力でコツコツと直しながら、『M3』との日々を楽しみます。

【次ページに続きます】

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