取材・文/糸井賢一(いといけんいち)

ただの乗り物なのに、不思議と人の心を魅了する自動車とオートバイ。ここでは自動車やオートバイを溺愛することでオーナーさんの歩んだ、彩りある軌跡をご紹介します。

哲浩さんの愛車は、シルキー6を心臓に持つ、高い次元で乗り心地と走行性能を両立した輸入車。その出会いと物語は【後編】にて語ります。

哲浩さんの愛車は、シルキー6を心臓に持つ、高い次元で乗り心地と走行性能を両立した輸入車。その出会いと物語は【後編】にて語ります。

今回、お話をうかがったのは、神奈川県相模原市にお住まいの金子哲浩さん(57歳)です。高校を卒業後、印刷会社に就職。29歳で写植の個人事務所を開設し、現在に至ります。

青春時代はトレイルモデルのオートバイに夢中

神奈川県相模原市で産声をあげた哲浩さん。よく家族でドライブに出かけたこともあり、乗り物全般に好意を持った少年時代を過ごします。ところが1970年代半ばに巻き起こったスーパーカーブームを目の当たりにし、あまりの過熱ぶりに逆に醒めた思いを抱いてしまい、クルマへの興味を失ってしまったそうです。

中学校に入ると、友人との会話もオートバイに関わる内容が多くなり、自然とオートバイへの熱意が高まります。そして高校へと入学後、原動機付自転車の免許を取得。程なくしてヤマハの『MR50』を中古で購入します。

「『MR50』はトレイル(未舗装)での走行を想定した原付です。場所を選ばず、よく走ってくれました。雪の降った次の日は、丹沢(神奈川県)の林道とかに遊びに行きましたね。当時は林道も不整地もあちこちにあって、走る場所には事欠きませんでした」

17歳で普通自動二輪免許を取得し、『MR50』からホンダの『XL125』に乗り替え。その後、友人とあわせる形で、ホンダの高性能ロードレーサー『RS250R』へと乗り替えます。同じオートバイでもトレイルとはまったく異なった走行性能は、とても衝撃的だったそうです。街乗りに、友人とのツーリングに活躍した『RS250R』ですが、就職とクルマの購入を機に手放します。

はじめてのクルマは、ガタガタのダルマセリカ

高校を卒業後、印刷会社に就職した哲浩さん。お金が貯まるのを待ってから教習所へと通い、19歳の半ばで普通自動車免許を取得します。そして最初に購入したクルマは、トヨタの初代『セリカ1600ST(TA22型)』、通称“ダルマセリカ”でした。

程度の悪さのおかげで、遠慮することなく未舗装路も走れたそう

程度の悪さのおかげで、遠慮することなく未舗装路も走れたそう

「セリカは先輩が乗っていて、その格好良さにずっと憧れていました。もちろん本当はツインカムエンジンの2000GTが欲しかったのですが、知り合いが働いていた中古車店で格安の1600STを見かけ、「運転に慣れるため」と割り切って購入しました。買った当初からガタガタで、よく分からない車種のドアミラーが木ネジで止められていました。このドアミラーは走っている最中に脱落してしまい、落ちた瞬間は大笑いをしてしまいました」

【次ページに続きます】

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