写真・文/矢崎海里
今年ももうすぐ梅雨の季節がやってきますね。
梅雨の時期は、気温差が激しく、ジメジメしていて風邪を引きやすかったり、イライラしたり、むくんだりと、体調不良を引き起こしやすい季節です。
何となく食欲が落ちがちなこの時期、おすすめしたいのが「梅干し」です。
今回は、塩分が多い梅干しを上手に活用して、梅雨を乗り切るレシピをご紹介します。
梅干しの効果
梅雨の時期に発揮される梅干しの効果は、以下の通りです。
1.食欲増進
激しい寒暖差や、体内の水分調節酸味で食が進みやすくなる手助けをします。少量でもしっかりと風味を感じることができます。
2.疲労回復
梅干しに含まれるクエン酸には、疲労回復効果があります。あわせてタンパク質も一緒に摂りましょう。
3.ストレス緩和
梅雨の時期、毎日雨続きで「洗濯物が乾かない」「体調が優れない」「髪型が決まらない」と、何かしらストレスを抱えているかと思います。
本来、人間の体は弱アルカリ性です。
しかし、ストレスを感じる状態が続くと体内が酸性に傾いてしまいます。
梅干しは酸っぱいですがアルカリ性食品なので、本来の体内バランスに戻す手助けをしてくれます。
とはいえ梅干しは塩分が多い食材です。
「食べたいけど塩分が気になる」「健康にいいのは知ってるけど酸っぱいのは苦手」なんて方にもオススメしたいのが「梅びしお」です。
梅びしおとは?
「梅びしお」をご存じですか?
梅びしおは練り梅とも呼ばれ、梅肉を煮て砂糖と練りながら加熱したものです。
塩抜きをするので、梅干しの味わいは残しながら塩分を抑えた優れもの。
梅びしおは文部科学省「日本食品標準成分表2015年度版」にも記載されており、その食塩相当量は100gあたり
梅干し(塩漬):22.1g
梅びしお:7.9g
とその差は歴然。
さらに砂糖を加えることで酸っぱさを軽減し、酸味が苦手な人も食べやすくなっています。
梅びしおは手作りでも簡単に作れて、清潔な容器に保存すれば長期保存もできます。
ここからは梅びしおの作り方と、活用レシピをご紹介します。
梅びしおの作り方
【材料】(作りやすい分量)
梅干し 4個
砂糖 大さじ1
みりん 大さじ1/2
【作り方】
1.ボウルに水を張り、梅干しを入れて数時間塩抜きをする。
2.一度水を捨て、鍋に梅干しを入れ、かぶるくらいの水を入れたら火をつけ中火で加熱する(鍋は酸に強いホーローやステンレスを使用しましょう)
3.鍋底に泡が出てきたら弱火にし、10分煮る。
4.火を止めて水を切り、種を取る。梅肉を包丁でたたいて細かくする。
5.再び鍋に戻し、砂糖・みりんを加え弱火にかける。
6.水分が飛んだら完成です。
長期保存をする場合、加熱殺菌した瓶に入れて、冷蔵保管・未開封で半年ほどです。
開封したら1か月程度で食べきるようにしましょう。
そのまま食べたり、ヨーグルトに入れてもいいですが、料理にも幅広く活用できます。
青菜もそのまま梅干しと和えると梅干しと醤油の塩分が気になりますが、梅びしおを使えば塩分も抑えることができます。
たくさん作って夏の熱中症予防にもいいですね。
今回はこの梅びしおを使ったおつまみレシピをご紹介します。
さんまの梅しそ巻き
【材料】(2人分)
さんま 2尾
大葉 8枚
梅びしお 大さじ2
つまようじ 4本
【作り方】
1.さんまは3枚おろしにする。
2.大葉は1/2に切る。
3.さんまの水分をキッチンペーパーで拭き取り、大葉を1枚分(2きれ)、梅びしおの順にのせていく。
4.端からくるくると巻き、つまようじで留める。
5.グリルで両面4~5分ずつ焼いたら完成。
おつまみにもごはんのおかずにもぴったりな魚レシピは、あじやいわしに変えてもOK。
巻く物もチーズやバジルなど、アレンジも多彩です。
食塩相当量:1.0g(市販の梅しそ巻きに比べ、約65%減塩)
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梅雨は様々な体調不良が生じる季節です。
食欲がない時もしっかり栄養を摂って、体調管理をしましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。