写真・文/矢崎海里
「貯骨」という言葉をご存じですか。
骨量は年齢とともに低下し、高齢になると骨折や骨粗しょう症の危険があります。
骨量のピークは20歳ごろなので、それ以降で骨量を増やすのは難しいですが、減少スピードを緩やかにすることは可能です。
そのために骨を形成する栄養素を意識して取り入れたり、運動をしたりして、骨を貯金する「貯骨」というワードが注目されています。
今回は骨の構成成分であるカルシウムに着目。
旬の小松菜から、カルシウムをしっかり補う減塩レシピをご紹介します。
小松菜としらすのチーズ炒め
【材料】(1人分)
小松菜 2株(約80g)
釜揚げしらす 15g
粉チーズ 大さじ1
おろしにんにく 小さじ1/2
オリーブオイル 小さじ1
【作り方】
1.小松菜は4cm幅に切る。
2.フライパンにオリーブオイルとおろしにんにくを熱し、1の小松菜としらすを炒める。
3.小松菜がしんなりしたら火を止め、粉チーズをトッピングして完成。
10分以内でさっとできる、栄養満点の炒め物レシピです。
小松菜はキッチンばさみでカットすれば、包丁とまな板は不要で、洗い物も少なく調理できます。
しらすと粉チーズの塩気で食べるので、味付けの失敗もありません。
カルシウムは乳製品や小魚に含まれているイメージですが、野菜からも補えます。
30代以上の1日のカルシウム推奨量は、男性750mg、女性650mg。
小松菜100gには、カルシウム170mgが含まれています。
今回は乳製品のチーズ、小魚のしらすを組み合わせ、1食分で1日の約1/3のカルシウム量を補えるレシピにしました。
しらすやチーズは少量でカルシウムが補えるので、ちょい足しにおすすめです。
しらすにはカルシウムの吸収をサポートするビタミンDも含まれていて、一緒に摂るとさらに貯骨に効果があります。
食塩相当量:0.5g
小松菜と桜えびのナンプラー和え
【材料】(1人分)
小松菜 1.5株(約60g)
春雨 10g
乾燥桜えび 小さじ2
★ナンプラー 小さじ1/2
★レモン汁 小さじ1/2
★ごま油 小さじ1
【作り方】
1.小松菜は3cm幅に切る。春雨は水で洗う。
2.ボウルに1と水50cc(分量外)を加える。ふんわりラップをして600Wの電子レンジで3分加熱する。
3.桜えびはフライパンで乾煎りする。
4.2の水気を切り、★の調味料で味付けする。3の桜えびを和えて完成。
乾煎りしたひと手間で、桜えびやナンプラーが香る和え物です。
レモン汁でさっぱりと食べられます。
春雨は水で軽く洗って、電子レンジで小松菜と一緒に調理すれば、戻す手間や茹でる手間はありません。
しらすと同じく、乾燥桜えびも少量でカルシウムが補えるので、ちょい足しにおすすめです。
カルシウムは含まれる食品によって吸収率が異なり、乳製品が約40%と一番高く、小魚約30%、野菜約20%です。
小松菜など野菜類に含まれるカルシウムは吸収率こそ低いですが、乳製品や小魚に比べて食卓に取り入れやすく、エネルギーが低いのがポイントです。
食塩相当量:0.8g
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ほかにも水菜や春菊、ちんげん菜などの野菜にもカルシウムが含まれています。
食事だけでなく、コーヒーや紅茶に牛乳を入れて飲み物からカルシウムをプラスするのもおすすめです。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。