写真・文/矢崎海里

春は宮城・岩手などの三陸地域で、わかめが旬を迎えます。
手軽に使える、乾燥したカットわかめが人気ですが、旬の季節には生わかめが流通します。
生わかめは褐色ですが、さっと湯がくだけで鮮やかな緑色に変化し、みずみずしい弾力のある食感が特徴です。
スーパーでは下処理した「湯通しわかめ」「お刺身わかめ」として販売されているものも多く、今回はこちらを使用した減塩レシピをご紹介します。
わかめごはん

【材料】(1人分)
生わかめ(下処理済みのもの) 30g
ごはん 150g
白だし 小さじ1
白いりごま 適量
【作り方】
1.わかめは食べやすい大きさに刻む。

2.1にごはんを加え、白だし、白いりごまを混ぜて完成。
給食の定番、わかめごはん。
シンプルなレシピですが、旬のわかめをおいしく味わえる一品です。
炊き込みごはんのレシピもありますが、より手軽に作れるよう、白いごはんに混ぜるだけのレシピにしました。
わかめにはカリウムなどのミネラルや、β-カロテンや葉酸などビタミン類も多く含まれています。
ほかにもカロテノイドの一種、フコキサンチンが含まれているのが特徴です。
フコキサンチンは赤色系の色素で、がん予防や体脂肪減少などの研究が進められている成分です。
わかめにはフコキサンチン以外に、緑色の色素クロロフィルを含んでいて、赤色系のフコキサンチンと混ざることで海の中では褐色に見えます。
湯通しすることでフコキサンチンの色が変化し、クロロフィルが鮮やかになることではっきりとした緑色に変化します。
下処理していない褐色のわかめを見つけたら、ご家庭でわかめしゃぶしゃぶにして食べると、色の変化と磯の香り、両方を楽しむことができますよ。
食塩相当量:0.9g
豚バラ肉のわかめチーズ巻き

【材料】(1人分)
生わかめ(下処理済みのもの) 80g
豚バラうすぎり肉 4枚
スライスチーズ 1枚
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
サラダ油 小さじ1
【作り方】
1.わかめは4等分に分ける。スライスチーズは縦4等分に切る。
2.豚肉を広げて、手前にスライスチーズとわかめを丸めておき、端からしっかり巻いていく。

3.フライパンにサラダ油を熱し、2を巻き終わりを下にして中火で焼いていく。

4.返しながら全面焼き、肉に火が通ったら弱火にし、めんつゆを加え、絡めて完成。
旬のわかめをたっぷり食べられるメニューです。
歯ごたえがあるわかめと、豚肉のあぶら、チーズの塩気が相性抜群。
お弁当のおかずにもおすすめです。
わかめには食物繊維が多く含まれていて、中でも水溶性食物繊維が豊富です。
水溶性食物繊維は水に溶ける成分で、腸内環境を整えるだけでなく、食後の血糖値上昇を緩やかにしてくれる効果も期待できます。
食物繊維は野菜やきのこ類、いも類などにも多く含まれていますが、海藻類から補うのもおすすめです。
食塩相当量:1.8g
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生わかめは保存が効かないので、期限が短くなっています。
購入したらすぐに調理し、余ってしまう場合は小分けにしてラップに包み、冷凍保存しましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。
