写真・文/矢崎海里
あおさは1月~4月頃に旬を迎える海藻です。
品種や商品名が入り混じって販売されているのでややこしいのですが、あおさと青のりの違いはご存じでしょうか。
青のりは香りがよいのが特徴で高級品、一方のあおさは平べったいのが特徴で、「青のり」「あおさ粉」「あおさのり」などと表記されています。
焼きそばやたこ焼き、ポテトチップスによく用いられる細かい粉状のものは、アオサ属の青のり、またはあおさとなります。
今回ご紹介する、お味噌汁の具材などに使用されるあおさは、実はヒトエグサ属の「ひとえぐざ」という種類の海藻です。
乾燥状態だとクシャっとしていて、水分を含むと葉が開くのが特徴です。
「あおさのり」「あおさ」と表記されることも多いのですが、あおさのインスタントみそ汁も、原材料を見ると「ひとえぐさ」と表記されています。
今回は乾燥のひとえぐさを「あおさ」と表記しています。
なかなか見かけないですが、旬の時期は生のあおさも流通しているので、店頭で見かけたらぜひ購入してみてくださいね。
作りやすい乾燥タイプのあおさを使用した減塩レシピをご紹介します。
あおさと玉ねぎのナムル
【材料】(1人分)
乾燥あおさ 大さじ1/2
玉ねぎ 1/2個
★鶏がらスープの素 小さじ1/2
★ごま油 小さじ1
【作り方】
1.玉ねぎは1cm幅に切る。耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして600Wの電子レンジで1分半加熱する。
2.乾燥あおさを加え、★の調味料で味付けして完成。
もう一品に嬉しい、電子レンジで調理できるおかずです。
あおさは乾燥状態で加熱した玉ねぎに混ぜることで、玉ねぎの水分を吸ってちょうどよく仕上がります。
これからの季節、新玉ねぎで作るのもいいですね。
乾燥状態のまま使用することもできるので、そのままみそ汁に入れたり、和えたりと使いやすいのが特徴です。
加熱せずそのまま食べられるので、今回ご紹介したレシピのように和え物や酢の物、ごはんに和えるなどいろいろな使い方ができます。
食塩相当量:0.7g
じゃがいもとあおさの和風ガレット
【材料】(1人分)
乾燥あおさ 大さじ1
じゃがいも 1個
顆粒和風だし 小さじ1/2
胡椒 少々
サラダ油 大さじ1/2
【作り方】
1.じゃがいもは皮をむき、スライサーで千切りにする。キッチンペーパーでしっかりと水気を切る。
2.乾燥あおさはぬるま湯大さじ3(分量外)に20秒程度漬けて、水気を切る。
3.ボウルに1、2を入れ、顆粒和風だし、胡椒を混ぜる。
4.フライパンにサラダ油を薄くのばし、3の生地を広げて火をつける。弱中火で焼く。
5.カリッとしたら裏返し、もう片面も焼き火を止める。食べやすい大きさに切り分けて完成。
包丁・まな板を使わずに調理できる、磯の香りが漂う和風のガレットレシピです。
両面しっかりカリっと仕上げるのがおすすめです。
ガレットはじゃがいものでんぷん質でくっつける調理法なので、じゃがいもは水にさらさないでください。
じゃがいも、あおさどちらもしっかり水気を切るのがポイントです。
あおさは一度に多くの量を食べることはありませんが、ビタミンやミネラルをバランスよく含んでいます。
使用量に対して食材自体に含まれる食塩相当量が少なく、低エネルギーで風味がよいので、減塩調理に大活躍します。
乾燥タイプは常温で日持ちするので、常備してレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。
このレシピは粉状の青のりでも代用できます。
食塩相当量:0.8g
* * *
ひとえぐさは海苔の佃煮などにも加工されています。
名前は知らなくても身近なところで食べているひとえぐさ、この機会に注目してみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。