写真・文/矢崎海里

「夏越の祓(なごしのはらえ)」という旬行事をご存じですか。
1年の半分にあたる6月30日に、これまでの半年の穢れを落とし、これからの半年の息災を願う行事です。
多くの神社では茅草で作られた輪をくぐって身を清める、「茅の輪(ちのわ)くぐり」が行われています。
そんな中で近年話題なのが、6月30日に食べる夏越ごはんという行事食。
今回は夏越ごはんのおすすめレシピをご紹介します。
おいしく食べて、残りの2025年の無病息災を願いましょう。
夏越ごはんとは?
6月30日に食べられる夏越ごはんの定義は、「雑穀ごはんを使っていること」と「夏野菜を使用した茅の輪をイメージしたもの」の2つです。
雑穀ごはんは白米と一緒に炊飯器に入れて炊くタイプのほか、温めるだけのパックご飯もあるため、使いやすいほうを選んでみてください。
夏野菜はゴーヤやパプリカ、トマトなどを使い、茅の輪のような見た目であれば、メニューはなんでもOK。
かき揚げ丼が定番ですが、真ん中に雑穀ご飯を盛りつけ、まわりにルウをかけた夏野菜カレーや、真ん中に肉を乗せたそぼろ丼など、さまざまなレシピがあります。
今回は一番定番の、夏野菜を使ったかき揚げ丼のレシピをご紹介します。
夏野菜のかき揚げ丼

【材料】(2人分)
雑穀ごはん 2人分
玉ねぎ 1/2個
とうもろこし 1/4本
オクラ 2本
天ぷら粉 大さじ2
水 大さじ3
揚げ油 適量
★みりん 大さじ2
★醤油 大さじ1
★水 小さじ1
★顆粒和風だし 適量
【作り方】
1.玉ねぎは薄切りに、とうもろこしは芯から実を外してほぐす。オクラは輪切りにする。
2.★の調味料を耐熱容器に入れ、ラップをしないで600Wの電子レンジで40秒加熱する。

3.ボウルに天ぷら粉と水を入れて溶き、1の具材を入れてよく和える。

4.鍋に揚げ油を170℃に熱し、3の半量を流し、返しながら両面揚げる。

5.うつわに雑穀ごはんを盛り、油を切った4のかき揚げ、2のたれをかけて完成。
野菜のみのシンプルなかき揚げです。
ぴょんと飛び出た玉ねぎが茅の輪のような見た目に仕上がります。
今回使用した食材以外にも、ゴーヤやパプリカ、大葉などの夏野菜を入れてもおいしく作れますよ。
たれを作らず、だし茶漬けにして食べるのもおすすめです。
市販のお茶漬けの素を使うのはもちろん、熱湯150mlに白だし大さじ1を加えて簡単にだしが作れます。
今の季節は冷やしだし茶漬けでさらっと食べるのもいいですね。
かき揚げを揚げるのが苦手、きれいに丸くしたいという方は、100円ショップなどで売られているかき揚げリングを使用してみてください。
たれは電子レンジで作れるため、コンロが1つしかないご家庭でも効率よく作ることができます。
エネルギー:567kcal
食塩相当量:1.6g
* * *
七草の節句には七草がゆ、夏の土用にはうなぎのように、夏越の祓には夏越ごはんを定番にしてみませんか。
食欲の落ちやすい季節ですが、旬のものをしっかり食べて、残りの半年も健康に過ごしましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。
