コロナ禍で夫婦は10年弱の別居を経て再び同居を選択
別居生活から別居婚に変わったことでさまざまな決まり事ができますが、関係は順調そのもの。3人で過ごす時間も増えていったとか。
「同居前提での別居ではなく別居婚を選択したことで、夫は子どもとの生活を優先するために私たちが暮らすマンションから程近いところに引越しをしてきたり、お金のことも事細かく話し合いました。不思議と別居婚という目的が明確になったことで、同居していた時の決め事を作る時はあんなに揉めていたのにすごくスムーズに決まっていくんですよね。子どもの都合を優先に、子どもには週の半分ずつを別々の家で過ごしてもらい、子どもにかかるお金については養育費として私がお金を管理していました。それに夫は子どものおおもとの家は私の暮らしている家なので家賃援助もしてくれて。大型連休には3人で出かけることもありました」
気が付けば別居生活は10年目に突入。そんな順調な関係を崩してまで再び同居になったきっかけはコロナ禍でした。
「私は一度妊娠した時に仕事を辞めていたんですが、別居にあたって元働いていたお店に雇用形態は変わったものの復職していました。でもそれもコロナ禍でなくなってしまって。それに子どもの学校がなくなって家にずっといるストレスなのか眠れなくなったり、物にあたるなどイライラしている姿をよく目の当たりにするようになって。逆に夫のほうは食料品関連の企業で働いていて忙しくなっていました。今まで決めていた生活やお金の流れがお互いにスムーズにできなくなったんです。私自身、自分の収入ありきで決めていたことだったので夫に相談できない不安もすごくあって。今まで保てていた別居婚のバランスが崩れてきた時に、夫がもう一度一緒に暮らしてみないかと提案してくれました」
現在は同居してまだ1か月とちょっと。夫側の家はまだ引き払ってはいないとのこと。
「まだまだ同居の結論を言えるタイミングではありませんが、うまくいっていると思います。今まで別々に子育てをしていたので、夫から手伝っているという意識がなくなっていたのが良かったんじゃないかな。それにこのご時世で、頼れる人と一緒に暮らせていることで安心感をもらえています」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。