取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
今回お話を伺った、陽子さん(仮名・35歳)は27歳のときに結婚、現在は都内で子どもと3人で暮らしています。陽子さんは義実家にいる猫のことで義母との関係が悪化してしまい、そのことを旦那さまから指摘されているそう。
「私は、ひどくはないけれど猫アレルギーなんです。それにハウスダストのアレルギーも持っています。義実家は多頭飼いなのでいつも猫の毛が舞っている状態で遊びに行くのも苦痛。それに子どもにもアレルギーがあって。そのことを夫は真剣に受け止めてくれず、逆に私が注意をされていて……」
おっとりした父親としっかりした母親の下、しっかりした娘に育つ
陽子さんは兵庫県出身で、両親と7歳下に妹のいる4人家族。父親はおっとりした性格で母親はキッチリしていて、陽子さんは自身を母親似だと言います。
「父親は時間にもルーズで、家族で出かけるときは父親が運転手なんですが、いつもギリギリに起きてくるくせにゆっくりするから全然時間通りにはいかないことも多くて。しかも待たせていることに罪悪感がないのか、何回言っても直りませんでした。妹も同じような性格なので、2人には出発の時間を30分早く言うようになるなど対策していました(苦笑)。
一方の母親は、とにかくキッチリしていて、しゃきしゃきしている人という感じ。何かを決断するのも早くて、何かに遅れているところは見たことがありません。朝起きてこないことが何度かあったけど、いつも体調が悪いときだけだったから、母親の体調は朝一に気づくことができていました。私は中学からお弁当だったんですが、夜の洗い物までにお弁当箱を出さないと、次の日のお弁当が無くなるなどの罰則があったので、自然と色々なことがちゃんとしていった気がします」
家族はおっとり派としゃきしゃき派の2対2に分かれることが多かったそうですが、仲は今でも良好とのこと。
「父と妹はいい意味で適当なので、意見が割れてもあっちが折れてくれて大きな揉め事にはならない。両親ともに私たちがやりたいことを応援してくれる人でしたし。私には中学卒業ぐらいから高校の最初ぐらいまで反抗期があったんですが、それ以外はずっと仲良くやっています。妹は結婚してからも実家近くで暮らしていて頻繁に交流しているみたいです。私も定期的に帰省していたんですが、コロナ禍もあって3年前のお正月に帰省したっきり。でも、頻繁に連絡は取り合っています」
【猫が6匹もいる義実家で一気にアレルギー反応が出た。次ページに続きます】