取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

数年前から女性の更年期障害については多くのメディアで紹介されているが、その一方、男性の更年期障害(LOH症候群、または加齢性腺機能低下症)についての認知度はまだ低く、男性自身も男性ホルモンの減少による体の不調だとは気づかずに受診していない人が多いという。株式会社メディリードでは、全国47都道府県に在住する男性を対象に「男性更年期障害についての実態調査」を実施(実施日:2023年4月17日~4月23日、有効回答数:20代~60代の男性5252サンプル、インターネット調査)。精神症状や身体症状などなんらかの症状のある人の中で病院を受診したのは全体でわずか10.7%という結果に。さらに、更年期症状が及ぼす影響として、家庭生活(家事・育児・介護)に影響していると回答した人は約70%(とても感じる32.7%、少し感じる40.4%)、人間関係(パートナー・同僚・知人)に影響していると回答した人も約70%(とても感じる36.5%、少し感じる32.7%)と高い数字になっている。

今回お話を伺った達二さん(仮名・47歳)は32歳のときに妻からの提案で結婚。結婚の挨拶では、すでに離婚して離れて暮らしている義父の悪口で義母、義姉、妻が笑顔で盛り上がっており、その状況に違和感を覚えていた。【その1はコチラ

多少の無理をしても、妻に従えば家庭はうまくいった

達二さんの育った家庭は、父親が支配的な立場にあり、母親や子どもを服従させているような状況だった。母親のことを「お前」「おい」などと呼び、偉そうに命令する父親の姿が大嫌いだったという。達二さんはそんな父親を反面教師として、妻の要望をできる限りかなえようとしていた。

「父からの命令に対して、しんどそうにしている母親の顔がずっと忘れられませんでした。父親のようには絶対にならないってずっと思っていました。

母親のことは守りたいと思っていた反面、なんで自分の意見をもっと言わないんだってイライラする部分もあって……。だから、自己主張が強いタイプの女性に好感が持てるんです。妻はなんでも思ったことを口にするタイプで、それに多少の無理をしてでも合わせていたら家庭はうまくいきました。私にとって、自分の意見を伝えて揉めることは自分の要望を我慢することより辛いことでしたから。うちの家庭がこれでうまくいっているなら、このままでいいと思っていました」

妻は子どもが3歳になったときから保育園に預け、仕事を始める。子どもは保育園で体調を崩すことも多く、妻から頼まれて達二さんが仕事を早退して迎えに行くことも多かったという。「人事部に移動させられた理由にこれもあった」と達二さんは振り返る。

「子どものイレギュラー対応は絶対に母親がしないといけない、なんてないですから。妻は勤め始めたばかりだったし、それなら仕方ないと思ってほとんど私が対応していました。会社からそのことについて直接何かを言われたわけではないですが、同僚の中には『嫁に頼めよ』と文句を言ってくる人もいました」

【抗うつ剤の服用を続けても不調は改善しなかった。 次ページに続きます】

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