取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)

今回お話を伺った桃子さん(仮名・37歳)は、昨年、職場で知り合った2歳上の男性と9年の交際期間を経て結婚、現在は都内のマンションで2人暮らしをしています。結婚願望については同棲の期間が長くなるにつれて薄れていくものの、桃子さんの両親はそれを許してはくれませんでした。

「同棲を始めるにあたって、やっぱり出てくるのは今までのお互いの生活のクセが相容れないものだということ。でも、ただの彼氏彼女の関係だからこそ、嫌だったら別れればいいという逃げ道が2人の関係を継続させてくれました。

でも、同棲を始めるにあたって親の前でした『結婚前提』という約束から逃げきれなくなってしまって。『いつするのかここで決めなさい』と帰省時に詰め寄られて、結婚する運びになりました……」

夫の嫌いな部分を寄せ集めたような義父が生理的にきつい

入籍に伴って、義家族への挨拶、そして両家の顔合わせが行われました。そこでなんとなく義父の行動が目についたと当時を振り返ります。

「最初にご挨拶に行った時に、私が来るということは知っていたはずなのに、上は首元が伸びきったインナーみたいなTシャツに、寝間着のようなステテコを履かれていました。そして次に気になったのは、手土産で焼き菓子を持って行ったんですが、クチャクチャと音をさせながら食べたこと。ある程度の会話はあったんですが、緊張していたこともあって会話が途切れる度にその音が響いていました。

そして、顔合わせはホテルにあるレストランを私が予約したんですが、義父は好き嫌いが激しいみたいで、嫌いなものには一切手をつけませんでした。聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、『これも食べられないわ』というのが聞こえてきたんですよね……。そこで、そういえば夫もいい年して好き嫌いが多いなぁ~と思い出しました」

さらに、結婚後は義家族との付き合いは想像以上に多いものだったそう。その理由は、義弟家族でした。

「結婚して最初に来るのがお中元シーズンで、義実家に贈ったんです。そしたら、顔を見せに来てほしいとお礼の電話で言われてしまって。夫には弟がいるんですが、弟家族はいつも手渡しだそうで。義弟が結婚したのは私たちよりも5年以上前。その習慣を知って、ひとまず一度会いに行きました。そしたら、義母が嬉しそうに弟夫婦の話をするんですよ。こんなところに連れて行ってくれた、家に招待してくれたなどなどです。義弟の嫁とは結婚式の時しか当時は会ったことがなくて、全然どんなキャラかは知らないんですが、何余計なことをしてくれたんだと仲良くなる前から少し嫌いになりました。結婚していたらある程度はと覚悟していた義両親との付き合いは、想像以上でしたね」

【次ページに続きます】

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