取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った絵美子さん(仮名・39歳)は、27歳の時に同じ職場で働いていた男性と結婚、現在は大阪府内のマンションで子ども1人との3人暮らしをしています。結婚から7年で念願の妊娠。実姉との関係が複雑化しており、里帰り出産を選ばずに今の自宅近くの病院での出産を選択します。それには近くで暮らす義両親のことを頼れるという思いもあったとか。
「義両親とは近くに住んでいたものの、干渉されることはほとんどありませんでした。会うのは年に数回でしたが、会えば何かとお世話をしてくれて、面倒見の良さも居心地が良くて。それに親戚付き合いも義母が嫌いなようで、参加しないでいいと言ってくれていました。夫にお小遣いをあげたりなど、少々甘いところはあったんですけどね(苦笑)」
赤ちゃん好きというだけで産後遠慮なく来る義妹。義母が優しすぎて防波堤にならない
絵美子さんは家の近くの産婦人科で出産。産後の入院期間は母親と義母が交代で面倒を見に来てくれていたそうですが、義母のところには一緒に義妹も子どもを連れて来るようになります。それがすごく迷惑だったと当時を振り返ります。
「産後は安産ではなく、それに私は出産時に切るところが裂けてしまって、強い痛みがありました。そんな時に義母が娘、私からしたら義妹を病室まで連れてきたんです。彼女は夫の2歳下で5歳と4歳の子どもがいる当時は専業主婦でした。病室にはやんちゃ盛りの子どもたちも連れてきたんですよ……。そこまでまったく連絡なんてとっていなかったのに、生まれたての赤ちゃんを見たいというだけで。来られたら一応愛想良くしないといけないじゃないですか。だって仲良くない気を遣う間柄なんだから。子どもは男の子2人でお構いなしに騒ぐし、私は痛いのにベッドで話すため横になれないしで地獄のような時間でした……」
そこで義妹と連絡先を始めて交換。そして、そこから義母に付いていつも一緒に絵美子さん宅に遊びに来るようになったとか。
「あの病室での一件で仲良くなったと勘違いしたのか、退院後も義母が様子を見に来てくれる度に子どもたちを連れて義妹も会いに来るようになってしまって。その時に気づいたんですが、義母は義妹に優しすぎるんですよ。義母が親族付き合いをしなくていいと言ってくれた時の強さはまったくなかったです。
結局その時は義妹が働き始めたことで自然に来なくなっていき、無理強いな付き合いを一度は終わることができたんですが……」
【このコロナ禍で義妹の図々しさは拍車が掛かっていき……次ページに続きます】