おおらかな彼と細かい私。両親のようないいバランスがとれていた
由紀子さんが勤めたのは、印刷などを行う企業の経理部。そこで今の旦那さまと出会います。
「夫は営業部で働いていて、仲良くなったのは私が社内で仲良くしてもらっていた女の先輩がきっかけでした。夫はその先輩の当時の彼氏。その後別れて、先輩は結婚退職。そして、私と夫が付き合ったという順番なので、浮気相手とかではないです。
夫は2歳上で、あまり小さなこと気にしないおおらかなタイプ。元カノの後輩と付き合ったことが噂になったこともあるんですが、まったく気にしていませんでしたね。私はA型で細かいところまで気を遣い続けるタイプなので、そのいい意味で適当なところにはあの時とても救われました」
2年後には同棲をスタートさせます。そこから結婚まで8年を要しますが、それでも結婚願望がなかったのはなぜなのでしょうか。
「そこまでの理由ってないんですよ。なぜ当たり前のように結婚しないといけないのか、そっちのほうが疑問ですよね。自分が生きていくぐらいのお金は稼げているわけで、今うまくいっている関係性をわざわざ変える必要ってあるのかなって。まぁ私の場合は、子どもも欲しいと思っていなかったし、相手もそこまで結婚願望がなかったので、そういう結論になったというか。同棲は私の仕事が変わって、ゆっくり2人で会える時間が減ったから。家賃や光熱費も1/2になるのでという、経済的な面が大きかっただけでした」
些細な意見の対立はあるものの、10年間の生活に大きな不満もなし。しかし、コロナ禍に夫婦の関係は崩れていく。【~その2~に続きます。】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。