取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。
【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った千鶴さん(仮名・37歳)は、24歳の時に結婚。千鶴さんは生まれてからずっと都内育ちで、祖父母ともあまり交流のない、典型的な核家族。一方の夫は地方出身の親族が同じ土地で生活を共にする大家族の中で育ち、上京後も両親や兄弟と常に連絡を取っていました。結婚前は“お客さん”で蚊帳の外。嫁いでからは長男、次男の嫁同士のいがみ合いに、三男の嫁として巻き込まれていたそう。
「結婚前は一切手伝わせてもらえなくて、ただただ座って時間が過ぎるのを待つだけでした。そして結婚後は実家の近所に暮らす長男、次男の嫁たちのいびり合いに巻き込まれるようになりました。結婚前に私が居間に座っていた時、台所ではこんなことをずっとやっていたのかと、ゾッとしましたね。
義母は次男の嫁がお気に入りのようでその態度を隠さない。2人が揉めている原因には義母の態度のせいもあると、義母自身も気づいているはずなのに……。私はただただ、巻き込まれたくない一心で、存在感を消すことだけに注力していました。お盆とお正月の一年の中でたった数日の我慢だったので」
妊娠中の義母の行動は夫が阻止。しかし義姉たちが……
大型連休のやりとりを続けること3年、千鶴さんは妊娠。妊娠中は体調が優れなかったこともあり、帰省せずに、千鶴さんの家族とともに落ち着いた年末年始を過ごします。その間、義母が東京に来るのを必死で阻止するため、夫だけは帰省していたそう。
「私の体調が不安定で、夫も年末年始は仕事で忙しくなるという理由もあって、私はほぼ実家で過ごしていました。結婚後に初めて実家でゆっくりする時間ができて感じたことは、やっぱり実家って最高なんだなって。何も気を使わなくてもいいし、両親にとっては初孫なので、いつも以上に甲斐甲斐しくお世話をしてくれて。
義実家への帰省は夫だけで帰ってもらいました。でも、これも義母が東京に遊びに来ると聞かなかったみたいで、その阻止策として。体調がどんなに悪くても義母の前で寝たきりで対応なんてできませんから。夫の配慮にはとても助かりました」
義母の対応よりも困ったのは長男、次男の嫁の贈り物だったそう。
「義姉なので、夫も強く言えなくて阻止する手段がないんです。本当に困ったのは、両家からお下がりが『送ったから』という事後連絡の後に届くこと。私の家は先ほども触れた通り、初孫。両親が浮き浮きしながら赤ちゃんグッズのカタログを見ていたのに……。ベビーベッドやおもちゃなどはありがたい気持ちもありましたが、ロンパースなど肌に触れるものは新調したいのが本音です。貰ったからにはお礼もしないといけないし、どちらの家にも角が立たないように、満遍なく着せなくてはいけないですしね……」
【孫前、孫後で変わった義母の干渉度。次ページに続きます】