取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

一度目の結婚は幸せだった。離婚した理由は「これ以上揉めたくなかったから」

今回お話を伺った、和沙さん(仮名・43歳)は、38歳の時に結婚して、現在は旦那さんと都内で2人暮らしをしています。和沙さんには離婚の過去があり、現在の旦那さんは再婚相手だそう。相手は2歳下で初婚だったこともあり、結婚当初は義家族の反対にあったと言います。しかし、悩みはそのことではありませんでした。

「実は現在夫からモラハラを受けています。言われた言葉で覚えているのは、『お前は何もできない』、『そんなつまらない仕事をしている』、『俺の言うことのほうが正しい』などです。もう夫には愛情もなくなり、別れたいとは思っているのですが、義両親から結婚時に反対されたのを必死で説得したこともあり、離婚してはいけない気がしています……」

和沙さんは大阪府出身で、両親と3歳下に妹のいる4人家族。一度目の就職は関西で実家から通っていました。そして、27歳の時に一度目の結婚をします。

「ずっと実家暮らしで、27歳の時に結婚と合わせて家を出た感じです。家族はやや過保護というか、理由のない一人暮らしを反対されていて、結婚までは料理も掃除洗濯も数回しかしたことがありませんでした(苦笑)。

結婚相手は、当時勤めていた貿易関係の会社で知り合った8歳上の男性です。私の上司にあたる男性で、彼はバツイチでした。彼と元奥さんの間には子どもが一人いて、彼は養育費を払っていました。結婚を決めたのは付き合って2年ほどしてから。私の中ではバツイチ子持ちというのは、まったくマイナスではありませんでした」

そんな和沙さんの意思を尊重してくれた両親は結婚に反対することはなかったそう。相手のご両親もとても喜んでくれたと当時を振り返ります。

「一度目の結婚をした当初は幸せなことが多くて、相手のご両親はとてもよくしてくれました。私の両親も勝手に夫を実家に呼び寄せて、一人で帰れなくなるまで飲ませたり(苦笑)。父親は初めてできた息子の存在が嬉しかったんじゃないかな。

そんな幸せな日々が続いたのはたった4年。元奥さんの再婚などがあり、夫は実子の面倒を見なくてはいけなくなり、その子と私がうまくいかなくて、離婚を選択しました。揉め続けて、これ以上一緒にいると嫌いになってしまいそうだったから。お互いが納得して決めたことです」

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