取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

学歴至上主義、世間体を何よりも大切にする両親の下で育った

今回お話を伺った、朋子さん(仮名・39歳)は、30歳の時に結婚して、現在は都内で旦那さまとの生活を続けているものの、家庭内別居を続けているとのこと。仕事は派遣スタッフとしてフルタイムでデザインの仕事をしています。現在離婚に向けての話し合いを続けている最中とのことですが、どちらの親にも離婚を踏みとどまれと言われた過去があるそう。

「いずれ離婚するつもりで家庭内別居を続けています。古い考えの両親、そしてダメ親で、夫と夫をかばい続ける義両親には本当にうんざり。今は毎日を無駄に過ごしているような感じです」

朋子さんは都内出身で、母親と4歳上に姉のいる4人家族。自身の小さい頃を真面目だったと一言で表します。

「両親は公務員と、元看護婦で、母親は結婚を機に家に入ったと聞いています。躾はそこまで厳しかった印象はないんですが、それは私が真面目だったからかもしれません。小さい頃はピアノに習字、塾にそろばんと習い事を多くしていて、それに勉強が嫌いじゃなかったんです。勉強すればするほど成績は上がったし、授業が終わってすぐに復習をすれば完全に忘れてしまうこともなかったから。成績は常に上位ではありました」

高校までは進学校に進むも、大学には進学せずに専門学校へ。大学進学を望む両親との言い争いは、父方の祖父母を巻き込むほど大きなものだったとか。

「子どもは両方とも女の子で、成績は妹の私のほうが良かったから、両親も大学進学を期待していたんだと思います。でも、その頃には勉強への意欲も執着もまったくなくなっていて、当時仲良かった友達が専門学校に進学を決めていたから、影響されてしまって。最初は軽い気持ちだったけど、友達と一緒に学校の見学会に行ったり調べたりするうちに、本当に興味を持つようになったんです。

最初に母親に相談したら、すぐに父親の耳に入ってしまって、激昂。『高卒になってしまうだろう』と。何の専門学校に行きたいかなどはまったく聞かれずに、反対されるだけでした。あぁ、こういう大人たちが学歴至上主義という社会を作ってきたんだなってしみじみ思いましたよ。進学は祖母が味方になってくれて、必死に両親を説き伏せてくれてやっと。半年以上は冷戦状態が続きましたね」

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