写真・文/矢崎海里
和食の基本、「だし」。
今はだしパックや顆粒調味料で手軽に使えるようになりましたが、基本のだしの取り方をご存じですか?
時間と手間は少々かかりますが、手をかけて取っただしは風味豊かで料理のレベルをぐっと上げてくれます。
そんなだしの取り方と、それぞれのだしを活用したレシピをこれから複数回にわたってご紹介していきます。
初回のテーマは「鰹節と昆布で取る一番だし」です。
鰹節×昆布の相乗効果!
和食のだしの中でも一番スタンダードのかつおだしと昆布だし。
昆布には「グルタミン酸」という旨味成分、鰹節には「イノシン酸」と「グアニル酸」という旨味成分が含まれています。
この2つが合わさることで、相乗効果が生まれ、さらに旨味や風味が強くなることが特徴です。
一番だしの取り方
【材料】(約2人分)
昆布 5cm程度1枚
鰹節 10g
水 500ml
【作り方】
1.昆布はふきん等で表面の汚れを拭き取り、分量の水に一晩漬けておく
2.1を火にかけ、中火で加熱する。沸騰する前に昆布を取り出す
3.鰹節をいれ、あくを取り火を止める
4.鰹節が沈んだら、ざるにキッチンペーパーなどをしいて濾す
5.完成です
昆布は煮すぎるとネバネバ成分が溶け出してしまうので、沸騰前に必ず取り出しましょう。
濾すときは、絞ってしまうと鰹節の雑味が出て、せっかくの綺麗なだしも濁ってしまうので、そっと注いで濾してください。
一番だしは旨味の強い上品なだしです。
お吸い物やだし巻き、茶碗蒸しなどのだしを楽しむ料理に活用されます。
今回はだし茶漬けのレシピをご紹介します。
漬け真鯛のだし茶漬け
【材料】(1人分)
真鯛刺身 5枚
醤油 小さじ1と1/2
みりん 小さじ1と1/2
万能ねぎ 少々
大葉 1枚
いりごま 少々
一番だし 1カップ
ほうじ茶(ティーバッグ) 1つ
ごはん 一膳
【作り方】
1.みりんは鍋で沸かし、アルコールを飛ばす
2.あら熱が取れたら醤油と合わせ、真鯛を半日ほど漬ける
3.大葉を千切りに、万能ねぎは小口切りにしておく
4.鰹節と昆布で取った一番だしで、ほうじ茶を煮出す
5.丼にご飯を盛り、鯛を盛って薬味をトッピングし、だしをかけて完成
一番だしをそのままだし茶漬けにする場合は、シンプルにあられや海苔などで、今回のように漬けの刺身などをのせる場合は、ほうじ茶で煮出すとけんかせず、ちょうど良い旨味と香りを楽しむことができます。
食塩相当量:1.4g
* * *
都度だしを取るのは面倒ですが、一度にたくさん取って冷蔵庫で保存すれば、数日は長持ちします。
作り置きしておいて、遅く帰った日の夜ご飯や〆にもいいですね!
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。