「こんばんは! 動画を撮ってみましたが、仕事に行くときの様子の方がいいかも…です。」

最初の取材から2年ほど経った今年の4月下旬、こんなメッセージとともに、初代ロードスターが復活したことを知らせる動画が、倫子さんから編集部に届いた。大学卒業後、実家に戻り、地元で就職を決めた悠生さんが、自宅から初代ロードスターに乗って仕事に出かける姿を撮ったものだ。

「僕がロードスターを乗り継ぐから、絶対に手放さないでよ」と言っていた長男の悠生君。その言葉が現実になった瞬間だ。それは、いつか息子に乗り継いでほしいという親としての秘めたる思いが実現した瞬間でもある。

生まれたときから、常に家族とともにあった初代ロードスター。悠生さんにとって、家族の一員のように感じる気持ちがあっただろう。

子へと乗り継ぐため、親が手塩にかけて“育てて”きた初代ロードスターが、いま蘇った。

そして、家族とロードスターとの新しい物語が、始まる。

文/橋本保+編集部

※2016年2月に『サライ.jp』に掲載した記事「夫婦ふたりの特別な車から“家族の一員”へ。将来は長男に受け継がれるかけがえのない愛車」に後日談を加えて再構成しました。

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