文/鈴木拓也
「ウイスキーの家飲みの仕方」と聞いて、ストレート以外に何が思い浮かぶだろうか?「ハイボール」「オン・ザ・ロック」「水割り」まできて、言いよどむ方が多いかもしれないが、実は多くのバリエーションがある。
はたして、他にどのようなウイスキーの楽しみ方があるか、『ニッカウヰスキー アレンジレシピ – ブラックニッカでつくる92品』(アサヒビール監修/ワニブックス)を参考に、筆者自身が作って試してみた。ちょっと紹介してみよう。
■1:バナナ豆乳ウイスキー
【材料(1杯分)】
ウイスキー:30ml
バナナ:1本(90g)
豆乳:100ml
はちみつ:小さじ1
きな粉:適量
【作り方】
1 バナナは小口切りにして冷凍する。
2 ミキサーに1と豆乳、はちみつを入れて撹拌し、なめらかになったらウイスキーを加えて軽く混ぜる。
3 グラスに注ぎ、きな粉をのせる。
豆乳バナナとウイスキーの風味が絶妙にマッチし、ほどよい甘味。お酒は好きでもウイスキーが苦手、という方にもおすすめできる。
■2:アールグレイ&ドライプルーンの漬込み酒
【材料(300mlの保存瓶)】
ウイスキー:200ml
アールグレイ(紅茶葉):4g(ティーバッグ2g×2袋)
プルーン(ドライ):3~4個(60g)
砂糖:20g
【作り方】
1 アールグレイを不織布素材のお茶パックに入れる(ティーバッグを使う場合は紙のタグを切る)。プルーンは半分に切る。
2 保存瓶に1を入れてウイスキーを注ぎ、砂糖を加える。
※漬込み時間:3~6時間(アールグレイ)、3日(プルーン)
ウイスキーの味は生かしつつ、ほのかに感じられる紅茶とドライプルーンが舌触りをまろやかにしてくれて、なかなか上品な味わい。
■3:ウイスキー蒸し野菜
【材料(2人分)】
ウイスキー:大さじ2
キャベツ:1/8個
玉ねぎ:1/2個
かぼちゃ:100g
パプリカ(赤):1/4個
ウインナー:5本
塩:ひとつまみ
【作り方】
1 キャベツ、玉ねぎ、かぼちゃ、パプリカは食べやすい大きさに切る。ウインナーは縦半分に切る。
2 厚手の鍋に材料をすべて入れ、蓋をして火にかけ20分蒸す。
ウイスキーの強い風味がマイルドに食材に溶け込んで、繊細な香り・味に変わり、野菜とウインナー本来の味を引きたててくれる。「シンプル イズ ベスト」の見本のような一品。
■4:ウイスキー焼きりんご
【材料(2~3人分)】
ウイスキー:大さじ2
りんご(あれば紅玉):2個(400g)
A―砂糖:30g、バター:20g、レモン汁:大さじ1
バニラアイス、シナモンパウダー:各適量
【作り方】
1 りんごは皮をむいて芯を取り除き、8等分のくし形に切る。
2 フライパンにAを入れ、1を並べて火にかける。ふちが茶色くなってきたら上下を返すように混ぜる。4~5分焼いて煮詰まり、全体が茶色くなってきたらウイスキーを加える。煮汁にとろみがついたら火を止める。
3 器に盛り、アイスを添えてシナモンパウダーをふる。
りんごとレモンのあざやかな酸味、ウイスキーの微かなコク、アイスの明るい甘味がコントラストを生み、焼きりんごという本来は単調になりそうな味を、より複雑によりおいしく変身させている。
* * *
本書にあるアレンジレシピのほとんどは簡単に作れ、「どんな味になるのか」と期待しながら調理するのは楽しい。日頃の晩酌が定番づくしでマンネリ気味であったり、来客を手製のつまみでもてなしたいと思ったら、試してみるとよいだろう。
(レシピ完成写真は筆者が調理したものを撮影したもので、本書掲載写真とは異なります。また、味の感想は筆者個人の見解です)
【今日のおいしい1冊】
『ニッカウヰスキー アレンジレシピ』
(アサヒビール監修、本体税込1,000円、ワニブックス)
文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。