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【京都人のお墨付き】狂言師・茂山茂さんおすすめの京都手土産「水田玉雲堂の唐板」

取材・文/末原美裕

鴨川

鴨川の流れが刻々と告げる四季の移り変わり、今日もどこかで催されている神社仏閣のお祭りの音、高い文化水準と豊かな緑の共存、京都に暮らす人々の細やかな心遣い――。

私自身、東京から京都に引っ越して間もなく5年になりますが、日々それらの美しい情景に心が満たされていくのを感じています。旅をして訪れる京都も魅力的ですが、京都に住んでみると、その懐の大きさや奥の深さ、積み重ねられた豊かさに、大げさではなくまいにち感動してしまうんです。

中でも、京都に長年住む方からとっておきの場所やお店を教えてもらうと、いつも私は通い詰めてしまうことになる……。八百屋さんでも、お豆腐屋さんでも、呉服屋さんでも、品物の良さはもちろんのこと、千年の都で繊細に磨かれてきた美しさに夢中になってしまうのです。

この連載では、京都で長年活躍している目の肥えた方々が本当に通っているところを紹介してもらいます。ナビゲーターを務める私自身、新たな京都との出会いに今からわくわくしています。

狂言師の茂山茂さん

今回京都人のお墨付きの場所を教えてくれるのは、狂言師の茂山茂さん。「茂山家の玉三郎」と呼ばれるほど、若い美女の役には定評があり、三児のよきお父さんでもあります。子ども同士が同じ幼稚園だった縁もあり、こころよくとっておきのお店を教えてくださいました。

上品さと素朴さが同居する唯一無二の味

水田玉雲堂の唐板

50g袋入り700円(税込)〜。進物箱入りもあります。

50g袋入り700円(税込)〜。進物箱入りもあります。

「実家が御霊神社の氏子であることもあり、小さな頃からいつも家に置いてありました。他に似たお菓子が思いつかない、本当に素朴なお菓子で、子どもの時から大好きなお菓子の一つです」と茂山さんがおすすめしてくれたのは、水田玉雲堂の唐板。御霊神社の向かいにある、小さくも清らかなお店に足を踏み入れると、“ああ、京都だ”と思う情緒とあたたかみが凝縮されています。

水田玉雲堂の唐板

運がよければ、看板猫のまゆのすけくんが出迎えてくれます。

運がよければ、看板猫のまゆのすけくんが出迎えてくれます。

応仁の乱後の創業以来、唐板は一枚一枚手焼きで焼き上げられています。「生地を秒刻みで高温の中焼き上げていくから、ほんのり甘くなるんですよ」とは店主の水田千栄子さん。

唐板

唐板の模様をよく見ると一枚一枚すべて異なります。これは水分がお餅のように膨れた跡で、この模様が唐板のサクッとした食感を支えているんだそうです。「京都では茶事の干菓子としても供されていて、この一つ一つ違う景色を眺めながら味わいを愉しんでもらっています」と美味しさが増す愉しみ方も教えてもらいました。

* * *

「この味で育ってきました。どんなお菓子にも、どこか似たお菓子があると思うのですが、唐板に関しては他に思いつきません。なので、これが欲しい時は、これ一択になってしまいます」と茂山さん。それは、唐板の純な味が550年以上大切に引き継がれてきたからこそなのでしょう。

私も自宅用に購入して帰ったら、やさしい味わいが癖になり、伸びる手が止まりませんでした。その後、すぐに手土産用に購入、ほのかな甘みと食感がとても喜ばれましたよ。

一意専心に作られた唐板はシンプルなのに、深く心に残ります。

■茂山茂さん
狂言師。1975年生まれ。茂山五世千作の次男。4歳で初舞台を踏み、茂山宗彦・逸平らと共に「花形狂言少年隊」を結成。「TOPPA!」、「HANAGATA」などでも活動。2012年京都府文化賞奨励賞を受賞。

【公演情報】
「ザ・学校狂言」
日時:5月3日開催(1回目10:30、2回目13:00、3回目15:00)
会場:京都市立室町小学校・体育館
アクセス:地下鉄「今出川」下車、徒歩5分
入場無料(要申し込み・先着順・自由席)
https://kyotokyogen.com/2019/02/20190210zagakko/
お豆腐狂言 茂山千五郎家
公式HP:http://kyotokyogen.com
お問い合わせ:075-221-8371(茂山狂言会事務局)

■水田玉雲堂
営業時間:10時〜17時(日曜、祝日休み)
住所:京都市上京区上御霊前町394
TEL:075-441-2605
アクセス:地下鉄「鞍馬口」下車、徒歩3分
http://gyokuundo.com

取材・文/末原美裕
小学館を経て、フリーの編集者・ライター・Webディレクターに。2014年、文化と自然豊かな京都に移住。

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