母親の病気がきっかけで家族、姉妹の大切さを知った

大学卒業後はそのまま名古屋の企業に就職。大型連休では実家に戻っていたそうですが、たまの帰省ではそこまで深い話はしないまま。そんな関係が7~8年続いた時、母親の病気が発覚したことで、妹との仲に変化があったと言います。

「母親は専業主婦なので健康診断もしてなく、不調を訴えて病院に行った時には手術をしないといけないレベルでした。母親は当時まだ50代。急にいなくなるかもしれないという恐怖で押しつぶされそうになりました。病気の話は父親から電話で聞かされたんですが、これから何をしなければならないかも真っ白で。そんな時、名古屋で生活をしてから初めて、妹から着信がありました。『一緒に家族を支えていこう』と。一人だったら、きっと何もできていなかったと思います」

母親の手術は成功するも、気落ちをしていた母親を支えるために妹は実家に戻り、真美さんも週末ごとに実家に帰るように。そして母親が元気になってきた頃、3人で思い出話をする機会があったようで。

「妹は小さい時から母親に、いつも私のことを『頭が良くて羨ましい』と言っていたみたい。さらには私のほうが女友達が多いところにも、自分はうまく人付き合いができないと気にしていたと。母親には私も“かわいくないほう”ということを愚痴っていたので、それも暴露されました。母親からは『自分が持っていないところばかりに目がいくところがそっくり』と笑われましたよ。お互いの羨ましいところを直接言い合えていたら、30歳まで関係がこじれることはなかったんだろうなって反省しています」

真美さんは32歳の時に結婚、旦那さんの仕事の関係もあり、関西に戻ってきています。そして、その3年後に妹さんも結婚して、現在妊娠中だと言います。

「私の子供は女の子で、妹も女の子らしいです。同い年にはならなかったけど、お互いの教育方針は揃っています。相手のいいところを褒められる子にしたいですね」

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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