中学受験で入った学校で勉強が好きに。勉強中に絡んでくる酔っ払った父親が苦手だった
小学生の頃から医療系に進もうと考えていた沙織さんですが、勉強は好きじゃなく、あまりできなかったと言います。
「医療系といっても、看護婦とか薬剤師とかたくさん候補がある中の1つとして医者があったくらいで、目指したきっかけはテレビドラマに影響された感じです。当時地元では中学受験が流行っていて、私もピンからキリまである学校の中でキリの入る学校を受験して合格しました。そこは高校までエスカレーターで進めるところで、入学してしばらくすると成績がグングン上がっていったんです。急にできるようになったわけではなく、全体のレベルが低かったからできるように見えただけだったんですけどね(苦笑)。でも、成績が上がると、もっといい成績を残したいと思うようになり、勉強を頑張るようになりました。
それに、当時兄が少し悪い友達と付き合うようになり、両親に心配をかけるようになっていたんです。私はその兄を反面教師に、少しでも親に心配をかけないようにちゃんとしなくちゃと思うようになっていましたね」
高校では進路こそ固まっていないものの、さらに勉強を好きになっていたそう。夜遅くまで勉強しているとよく父親に邪魔をされたことがあると教えてくれました。そしてその父親のせいで今もある影響があるようで……。
「父親は高校生の時には仲が悪いわけじゃないけど特に会話もない状態でした。シラフではそんな感じだったんですがお酒が入ると……。父はお酒が大好きでよく仕事終わりに酔っ払って帰ってきていて、勉強している私のところまで来て話しかけてくるなど、邪魔をよくされていました。さらにはよく飲むくせにお酒には弱くて、家でよく吐いていましたね……。そんな姿を見ていたからなのか、今でも私の中に父の威厳なんて全くありませんよ(苦笑)。しかも、父が絡んでくる時は帰宅後すぐだったのでいつもスーツを着ていたんですが、その影響なのか、私は今ではなぜかスーツを着た男性が苦手になりました。あとお酒をたくさん飲む男性も。今自分の好みの幅を狭くしているのは父のせいですから(苦笑)。
でも、接待など付き合いでお酒を飲んでいたこともあったと思うんです。どんな時も明るく接してくれていたので当時は気づくことができませんでした」
親族がきっかけで歯科医を目指し、歯科大学へストレートで合格。学費を助けるためのアルバイトを両親は認めてくれなかった。そこにはある思いが隠されていて……。
【~その2~に続きます。】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。