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文/鈴木拓也

出腹、痩せ、薄毛、シワなど、加齢に伴って目立ち始める身体の変化。そのせいで、以前着ていた服が合わなくなって、普段の服装に無頓着になってしまったり、奥さん任せにしたりと、おしゃれにテキトー感を匂わせてしまいがちなのが、「オヤジ世代」だ。でも、「それで本当によいのか……」などと、いやはや不惑をとうに過ぎても、その実惑いから抜けきれない世代でもある。

そんな迷えるオヤジ世代に対し、「ファッショナブルになる必要はありません」としつつ、「加齢を味方につけて、利用してしまう」おしゃれ道を提唱する人物がいる。東京で洋服店「Pt. アルフレッド」を営む本江浩二さんだ。

本江さんは、著書『オヤジの着こなしルール』(世界文化社)で、オヤジ世代の現実的な問題である「太った」、「痩せた」、「古くさい」、「老けた」を、洋服の選択や着こなしによって「アジ」に変える処方箋を出している。例えばこんなふうに――

ジーンズはスッキリが合言葉(モデルは本江さん本人)(本書75pより引用)

本江さん自身は、「体重3桁の手前(自称)、胴まわりのサイズは3桁を超えている」そうだが、そうは見えない着こなし。

本書の解説を読むと、ウエストに合わせてジーンズを選んでそのまま穿くと、「腿やふくらはぎがブカブカ」という冴えない格好になるので、「裾上げだけでなく、身体に合った裾幅、太さにお直しをしましょう」とアドバイスがある。さらに、太めの人は「逆二等辺三角形」をイメージせよとも。

「すべてはバランスで決まります。着ているシャツの裾を出したときの着丈、穿いてるジーンズの太からず細からずの丁度よいシルエット。靴は、ボリューム系を合わせます。これで逆二等辺三角形のでき上がりです。ネイビージャケットとかを合わせると、久しぶりに会った人には痩せた?って言われるスッキリシルエットが完成です」
(本書75ページより引用)

ジーンズに限らず、太めだからと大きいサイズを着て隠そうとすれば、逆効果。「ただだらしいない服を着てる風」に見えてしまうという。

その逆のタイプ、つまり筋肉が落ちて痩せているオヤジの場合も、大きいサイズで体型を隠そうとするのはNG。「ブカブカの服を着て逆に貧相に見える」というスパイラルにはまってしまうのだそうな。そうではなく、シャツの2枚重ねでボリューム感を生むのがベターなどと指南は具体的だ。

本江さんは、シャツやパンツでカバーできない薄毛や白髪頭という悩みについては、「身長が高くない我々オヤジ世代なら、ツバが狭い小ぶりなハット」で頭を隠すのがしっくりするという。そこで、本江さんがすすめているハットの1つが、セーラーハット。邪魔なときは丸められるのと、これからの暑い夏向きのサラッとした素材のものもあるというのが、その理由。

頭髪の悩みを自然にカバーできるセーラーハット(本書109pより引用)

このような感じで、本書には、印象がさりげなく、あるいは劇的に変わるオヤジ向けのファッション術がさまざま盛り込まれている。「男は外見より中身」といった頑固さは、ひとまずおいて読んでみてはいかがだろうか。きっと、おしゃれに対する考えが変わるはずである。

【今日の心の健康に良い1冊】
『オヤジの着こなしルール』
http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/18213.html
(本江浩二著、本体1,400円+税、世界文化社)

文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。

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