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外川淳の城下町歩き _art-1850653_1920

今、古地図片手の街歩きがブームになっています。古地図をたよりに古の町割りや痕跡を楽しむことは、歴史ファンにとってロマンある楽しみのひとつでしょう。

大河ドラマ「おんな城主直虎」の主人公・井伊直虎の系譜である井伊氏が治めた彦根藩(現・滋賀県彦根市)もじつは、近世の町割りが残り、古地図片手の街歩きを楽しめる町。歴史アナリスト・外川淳さんの著書『城下町・門前町・宿場町がわかる本』(日本実業出版社)では、そんな彦根市を例にとった街歩きのノウハウが解説されています。

大河ドラマをきっかけに、そうした街歩きに興味をもつ人も少なくないはず。そこで今回は同書をひもときつつ、古地図片手の街歩きを楽しむ4つのステップをご紹介します。

■1:古地図を手に入れる

まずなにより、古地図を入手しましょう。本書で外川さんがおすすめする入手法は、図書館などによるデジタルアーカイブを利用する方法です。

なかでも滋賀県立図書館が運営する「近江デジタル歴史街道」は便利で、外川さんによると、「『近江デジタル歴史街道』のサイトの検索欄に『彦根地屋敷割絵図』と入力すると、図面を細部まで閲覧することができる。プリントアウトも可能なため、必要な個所を使い勝手のよい縮尺に設定したうえで、古地図を手にしながら、彦根の城下町を探査することができる」とのこと。

また、彦根市の公式サイトでは現在の地図の上に古地図が重ねられた「彦根城周辺詳細図」も用意されているそう。ほかにも同書には、利用可能な古地図掲載サイトが紹介されています。

いくつか検索して吟味するうちに、町歩きへの期待感も膨らんでいきますね。

■2:古地図をざっと読み解いてみる

さて、古地図を手に取ると気がつくのが「字が読みにくい」という事実。地図とはいえ、古文書と同じように崩し字で書かれていることが多く、慣れていないと字が読めないことも少なくないのです。

しかし、「古文書が読めなければ、古地図を理解できないかというと、そうでもない」と外川さん。「よく使われる文字を記憶していると、おおまかな情報を読み取ることができる」のだそうです。

古地図によく書かれる文字は、地名や人名、数字や単位など。現代人にはなじみの薄い「壱」「弐」「参」「廿(にじゅう)」「卅(さんじゅう)」といった特殊な数字表記も押さえておくとよいようです。

■3:現在の町割りと照合してみる

地図に目を通したら、今度は現在の街の様子を事前に確認するとよいとのこと。

外川さんは「とことん歴史的町並みを知るには、できるだけ、古地図と現在の地図との照合や、ネットで収集できる情報を事前に入手してから現地を訪れたほうがさまざまな発見に恵まれるだろう。『グーグルアース』を利用すれば、歴史的町並みの裏路地まで知ることができる」と、現代ならではのアイテムを活用した“事前調査”を提案しています。

そして忘れがちなのが、古地図では歩けないエリアを把握しておくこと。

外川さんは「明治4年(1871年)の廃藩置県後、日本各地では、城の本丸や二の丸までは保存されても、城下町との接点にあたる三の丸は、公共施設や、地方銀行の本店、地元資本の本社、工場などに転用されることが多かった」と指摘。古地図には書かれている道がすでになくなっているケースもあるため、現在地図との照合は欠かせない下準備といえます。

■4:ランドマークを手がかりに現地を歩く

前準備が完了したら、いよいよ実際に彦根の町を歩いてみます。

このとき「まずは彦根城へ立ち寄り、天守の最上階から城下町を一望することにより、位置関係を掌握したい」と外川さんは書いています。

城を築くときには山や大きな川といった自然環境も念頭に置かれるので、天守に登ったら周囲を見渡し、築城当時に思いをはせるのも味わい深いたのしみ方です。

最後に、外川さんは彦根の街歩きに役立つアドバイスとして、「城下町絵図に記載された寺院の大部分は、今も江戸時代と同じ地点に存在するため、古地図と現代地図とを比較するときのランドマークとして活用できる」と綴っています。これを頭に入れておくと、街歩きがよりスムーズになりそうですね。

史跡を丹念に現地検証することで、歴史の真実を解き明かしてきた外川さんは、歴史ファンとともに城郭や台場、城下町をめぐる「歴史探偵倶楽部」を主催するなど、古地図歩きの専門家としても知られます。今回参照した著書の『城下町・門前町・宿場町がわかる本』でも、今回ご紹介したほかにも古地図歩きのさまざまなノウハウを紹介しています。

2017年、新たな1年のスタートに本書を携え、古地図片手の町歩きという新たな楽しみを開拓してみてはいかがでしょうか。

文/酒寄美智子

【参考図書】
『「昔の名残」が見えてくる!城下町・門前町・宿場町がわかる本』
(著者・外川淳、¥1,620(税込)、日本実業出版社)
http://www.njg.co.jp/book/9784534054135/

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