■8軒目:シチリア料理 リカータ 京都市下京区
――シチリア料理専門店で味わう京の食材
推薦人/石原義清さん(『俵屋吉富』店主)

「秋刀魚とトマト京都茄子のブジアーテ」1800円。太くもぐもぐとした食感の南イタリア産パスタが、秋刀魚や野菜、ソースの旨みをたっぷり絡めとる。味は少しのだしと塩、胡椒のみ。素材の味が生きている。

「京都では珍しいシチリア料理のお店です。家庭的でほっと和めます」と話すのは、由緒ある京菓子店『俵屋 吉富』の石原義清さん(52歳)。希少なシチリアワインもあって、料理との組み合わせの妙も楽しめる店、と薦める。

平成26年6月開店と日はまだ浅いが、店主の畔柳健司さん(38歳)は、イタリア北部やシチリアで学んだ人。東京、名古屋、京都のイタリア料理店でも腕を磨き、自店を開いた。

「シチリア料理は、食材の持ち味を大切にする料理で、日本人にとっても馴染みのある味になる」と語る。パスタや調味料は、ほぼ南イタリア産を使うが、にんにくなど香辛料の量や使い方は、日本人も美味しいと思えるように調整。

秋刀魚は、イタリアでは獲れない魚だが、脂がのって美味しい秋には必ず使う魚のひとつ。トマトと京都茄子を具材に、松の実やレーズンで違った一味を添える。ソースがよく絡む太い渦巻き状のパスタ、ブジアーテを合わせるのは、ソースを最後まで楽しんでほしいから、と畔柳さんは語る。素材の瑞々しさもしっかり生きた素直な味。シチリアを知らずとも、この味わいには心動かされる。

「奥丹波地鶏の煮込み ピスタチオ風味」2600円。白ワインを使って煮込み、鶏肉も柔らか。チーズやピスタチオなど、シチリアが育はぐくんだ味が要となった料理。

【シチリア料理 リカータ】
京都市下京区高辻通柳馬場西入泉正寺町466
電話:075・286・9252
営業時間:11時30分~ 14 時(最終注文)、18時~21時30分(最終入店)
定休日:不定
料金:5000円~、予約が好ましい。
カウンター5席、テーブル6席。

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