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保存版!京都人が通いつめる「ふだん遣いの美味処」10軒

取材・文/中井シノブ

数多の料理店がひしめく京都は、食の都でもある。そのなかで地元の名士たちが日常的に通う店は、旬の食材を使っていても予算は手頃という店が多い。

そんな「みやこ人」が推薦する美味なる店10軒を一挙にご紹介。この秋、京都に行くならこんな店へ!

※この記事は『サライ』本誌2016年10月号より転載しました。肩書き等の情報は取材時点のものです。(取材・文/中井シノブ 撮影/奥田高文、高嶋克郎、高見尊裕)

■1軒目:割烹やました 京都市中京区
――客の好みで料理を誂える本格派の割烹
推薦人/澤村陶哉さん(陶芸家)

手前は太刀魚のチーズ巻き焼き1800円。香ばしく焼けたチーズが、あっさりした太刀魚に旨みを添える。奥は鴨ロース1800円。しっとりとほどよく火の通った鴨は、粒マスタードをつけて食す。

カウンターの上には大きな松茸を盛った籠、水槽には鱧や鯛など、その時季一番の魚が放たれている。品書きはあるが、あくまでそれは客が料理を選ぶ際の参考。

「実際には店主が旬の魚やその日一番の食材を薦めてくれます」と陶芸家の澤村陶哉さん(67歳)。

店主の山下茂さん(68歳)は、料理歴50年以上という熟練の板前。

京都の料理界でもその腕前はもちろん、男気ある接客で知られる人だ。常連客の好みをくまなく把握し、初めての客には年齢や注文の仕方などを鑑みて料理を薦める。

たとえば、造りの盛り合わせも、年配の夫婦なら旬の味を2~3種、女性同士なら多種類を少しずつと内容を変える。

「遠慮なく食べたいものを言っていただくのが一番。鱧は造りで、牛肉も食べたいなどと、その日の気分で好みを伝えてください」(山下さん)

秋以降に脂ののる太刀魚は、チーズを巻き込んで焼くなど目先を変えた工夫を凝らす。温かな料理を求めたくなる季節には、どじょうの柳川など小鍋料理も増える。

料理人とのやりとりで美味にたどりつく、板前割烹の醍醐味がここにはある。

ぐつぐつと煮えたところを出してくれるどじょうの柳川2000円。昆布と鰹のだしでどじょう、牛蒡を煮て卵でとじ、三つ葉をちらした。日本酒1合800円~。

【割烹やました】
京都市中京区木屋町通二条下ル上樵木町491-3 

電話:075・256・4506 
営業時間:11時30分~13時30分、16時~22時(いずれも最終注文) 
定休日:月曜 
料金:昼4000円~、夜8000円~ 
カウンター14席、個室2(4名、8名)。

■2軒目:味野里香(みのりこ) 京都市中京区
――京の旬を満喫できる料理に合わせた日本酒
推薦人/山田康一さん(山田製油当主)

鱧の造り(手前)、焼き霜(左)、落としの3種盛り(2~3人前)。山葵や梅肉のほか、大根の茎や紅芯大根など季節の食材が添えられる。日本酒は小400円~、中(100ml)600円~。

32年間営んだ新町御池から、今年6月に押小路通へ移転。100種類以上揃えるという日本酒専用の冷蔵庫も設え、さらに心地よく飲める店になった。

「ここに来ると、料理と日本酒の絶妙な組み合わせを堪能できます」と推薦するのは、手作りの胡麻油で有名な山田製油の当主、山田康一さん(55歳)。

それぞれの料理に合う日本酒を薦めるというスタイルは今まで通り。料理は、突きだしから始まる8~10種類のおまかせ。稚鮎の天ぷらなど揚げ物、酒の肴が盛られた八寸、鱧の造りや甘鯛の焼き物と京都で味わいたいものばかりだ。

食材を吟味するのは当然だが、手をかけ過ぎない料理で、持ち味を引き出す手腕も見事。鱧の造りは、生のほか、表面に焼き目をつけて冷水で締めた焼き霜、湯通しして冷水で締めた落としと3種で盛り、食感や旨みを存分に際立たせて客の要求に応える。

「季節の料理とそれに合うお酒をご用意します。双方が引き立て合うことが、何よりのご馳走です」

と店主の金子寛さん(62歳)は言う。

「磯自慢」「醴泉」「十四代」など希少な銘柄も多く、日本酒に精通する金子さんの話が特別な薬味のように効く。

手前は鰻の白焼きと松茸の炙り(2~3人前)。焼きたてに酢橘を絞って食す。奥は鯛の造りと生ウニをのせ、刻んだ大葉と山葵を薬味にした鯛茶漬け。だしをたっぷりとかけた締めの一品。

【味野里香】
京都市中京区押小路通衣棚西入上妙覚寺町208-6
電話:075・256・2256
営業時間:18時~24時
定休日:日曜
料金:6000円~要予約。
カウンター6席、テーブル8席

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