■6軒目:炭火串焼 とりと 京都市左京区
――関西では珍しい希少な味が揃う焼き鳥店
推薦人/井澤美紀子さん(『井澤屋』若女将)

左からふりそで180円、しり皮、三角なんこつ、レバー、ねぎま(いずれも1本150円)。朝9時半から仕込むという串焼きは、洗練された美しさだ。

祇園で和装小物を扱い150年という老舗『井澤屋』の若女将・井澤美紀子さん。飲むというより、最近は料理を楽しみに行くことが多くなったという井澤さんが薦めるのは『とりと』。京都で焼き鳥というと、まず名前があがる店だ。

大阪などで修業を積んだ松田幸三さん(40歳)が、平成13年に開いた店。大阪で勤めた焼き鳥店で、鶏の部位の豊富さやそれぞれに違う味わいを知り、追求したくなったのだという。現在は、四条烏丸店、寺町には焼き鳥割烹的な店も展開し、鶏料理一筋に励む。

『とりと』が評判を呼ぶ理由は、徹底して但馬などの国産鶏を使うこと。また、開店して数年後に出会った城陽市のひね鶏の旨みに開眼し、店で扱ったことだ。肉質がしっかりして旨みが濃いひね鶏は、少量しか仕入れられないこともあり、すぐに売り切れる。

幻といわれるふりそで( 手羽元と胸の間)や白子、ばらなど希少部位の品揃えの充実度も、焼き鳥通の客に信頼を得る理由だろう。それぞれに適した焼き加減と味付け(塩かタレ)で焼かれた鶏は、持ち味を存分に発揮する。

居酒屋の焼き鳥とは一線を画す、専門職人の技があふれている。

ハラミのにんにく炒め490円。生ビール490円。ハラミも希少な部位。脂がのって、ほどよい歯応えとにんにく風味でビールが進む。

【炭火串焼 とりと】
京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町9-5 神原ビル1階
電話:075・752・4144
営業時間:17時30分~23時(最終注文)
定休日:不定
料金:4000円~
カウンター13席、テーブル16席。

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