妊娠発覚も結婚には後ずさり。義両親に会って、初めて家族になりたいと思った

高校に進学した後は母親とも時間を共有することが少なくなり、両親の不仲について何も思うことはなくなったと語る佳代さん。しかし、自身の結婚願望はこの頃には全くなくなっていたそう。

「男性不振といったものではありません。高校から彼氏がいたこともありましたし。でも、所詮他人というか。結婚って、根本ではわかり合えるわけない相手と、国の法律で縛られながら一緒にいることを強いられる。そんな関係性に魅力なんてちっとも感じませんでした。すごく曲がった考えなんですけどね(苦笑)。

自分に結婚願望がないのは両親のせいかといえば、そこまで考えたこともないです。でも、一度結婚してしまうと離婚って簡単にできるものじゃないんだなという思いは両親を見て思っていたかな。添い遂げる自信もない、離婚するしんどさも知ってる自分が結婚することになるなんて、想像もしていませんでした」

佳代さんが結婚したのは28歳のとき、理由は子どもができたからでした。妊娠の相手は当時付き合って7年になる男性。当然、結婚の話は出てきます。

「妊娠がわかった時も、ひとりで育てるにはどうしたらいいのかという思いのほうが先に浮かびましたね。それほど、私の中で結婚はないものでした。でも、大学の頃からずっと付き合っていた人で、不倫でもない。妊娠がわかってからは当然のように結婚へ話が進んでいきました。内心とても戸惑いましたよ。私が家族の母親になるということが想像できなかったから」

しかし、その不安を払拭してくれたのは夫の家族でした。

「付き合っている7年もの間、一度も挨拶に行っていませんでした。付き合っているだけだったから家族なんて関係ないと思っていたし、もちろん私の両親にも会わせたことはありません。

結婚することを決め切れていないまま、義両親に会いに彼の実家に行ったんですが、本当に温かく迎えてくれたんですよ。そこには私の両親みたいに人前でだけ仲良く振る舞うようなわざとらしさは全くなくて、私が惹かれた夫の人当たりの良い人柄とご両親の雰囲気がそっくりでした。その時、この人たちの家族になってみたいと思ったんですよね」

慣れない子育てを助けてくれた義母、離婚後も家族のように接してくれた義父に佳代さんは何度も救われます。~その2~に続きます。】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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