■4軒目:食場 大野 京都市東山区
――素朴でいて深い和食の味が身にしみる
推薦人/久保田康夫さん(写真家)

淡路 産の鱧と湯葉の小鍋2500円。鱧の骨を炙あぶってだしをとり、そこに鱧、湯葉、九条葱ねぎと玉ねぎを加えてさっと煮る。

魚料理が自慢の居酒屋で修業を積み、平成27年に自店を祇園に構えた大野道洋さん(34歳)。

「その時季一番の魚を仕入れ、それぞれが持つ旨みを味わっていただきたい。品数は少なめに、一品一品に力を注ぎます」(大野さん)

その言葉を表すように、料理は造り、炭火焼き、煮物といたって簡素。ある魚にはどんな切り方が旨くなるか、どのくらいの火力で焼くのが最適かと、経験を生かして丁寧に調理する。鱗が硬く焼き加減が難しいぐじ( 甘鯛)も、ヒレをピンと伸ばして美しい焼き上がり。皮はサクッと音がするほど香ばしく、身は反対にしっとりと滑らか。噛むほどに、ぐじ本来の甘みと旨みが広がっていく。

「魚料理は抜群。でも、近江日野牛も焼いてくれる。これが程よい焼き加減で美味」と、推薦人の久保田康夫さん(58歳)も賞賛。魚焼きでの炭火の技は、肉や油揚げを焼く際にも十二分に振るわれる。

茄子にしんや鯖寿司といった京の名物料理も揃え、観光客も快く迎えてくれる。締めには、土鍋で炊く白飯を注文し、焼き物や小鍋とともに定食感を味わうのもいい。

和食の実直な旨みを再認識させてくれる店である。

炭火でじっくり時間をかけて焼く「五島ぐじ一汐炭火焼」2000円。焼き茄子などが添えられることもある。ふっくら甘い身が旨い。

【食場 大野】
京都市東山区月見町6-2 N・Kビル1階
電話:075・555・3018
営業時間:17時~22時(最終入店)
定休日:火曜
料金:5000円~
カウンター7席。

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