■3軒目:二条 有恒(ありつね) 京都市中京区
――割烹さながらの室礼いで洗練された空間と料理
推薦人/玉村咏さん(染色家)
「大人のための居酒屋を、洗練された御所南で開きたかった」と店主の堀部拓己さん(48歳)。平成27年8月に、27年間店を構えた伏見から現在の地へ店を移した。旬の造りや魚の焼き物など王道の和食だけでなく、炙った厚揚げなど肴も揃え、気軽にお酒を楽しんでほしいと言う。
多くの客がまず注文するという八寸には、10種ほどの季節の味が盛り込まれる。秋ならば、子持ち鮎や葡萄の白和え、琵琶鱒など山海の美味尽くし。揚げ物、煮物、和え物など目先の変わる料理が並び、これだけでもじっくり酒を楽しめる。
品書きには、きのこの朴葉焼きや小鍋など旬の味も30種ほどあって目移りするほど。迷ったら、八寸とお造り、焼き物のおまかせ3種盛りを頼むのもいい。
「女性の料理人さんもいて、接客がきめ細かい。分量や食べ方など、要望にも快く応えてくれる」と染色家の玉村咏さん(68歳)も太鼓判を押す。
店の構えや室礼は高級割烹さながらだが、気さくな接客が心地いいと玉村さん。一品料理でちょっと一杯というときにも、気後れせず訪ねられる街の飲み屋だ。
【二条 有恒】
京都市中京区二条寺町西入丁子屋町694-3
電話:075・212・7587
営業時間:17時~23時(最終注文)
定休日:月曜
料金:8000円~ 予約が好ましい。
カウンター10席、個室2(4名、6名)。
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