両親も味方ではなかった。離婚できる日々を待ち、6年が経過
順調にいっていた結婚生活の中、旦那さまに独身時代からの借金が発覚します。結婚して3回目の結婚記念日のすぐだったそう。
「督促状が届いていたんです。同棲の期間も合わせると5年も気づかなかったんですよ。何で借金をしたのかを濁したり、いつから借金を抱えていたのかさえもうやむやにする夫には不信感しかなくて。しばらくは1つの部屋にこもって、会話もない期間が一週間ほど続きました。そうしたら、義両親が家に来て、いきなり私に頭を下げてきたんです……」
借金の額は数百万で、朋子さんが見たものとは別のものも、義両親の話から発覚。そして、それをすべて義両親が支払うことで一度は決着がつきます。話し合いの中で頭を下げ続ける義両親の姿を見て同情してしまった朋子さんは、その場である約束をしてしまいます。
「私がいいと言っても、お義父さんもお義母さんもなかなか頭を上げてくれなくて、本当に困りました。お義母さんなんて少し泣いていましたから……。結局、夫の両親が立て替えてくれることになり、夫には二度と借金はしないと念書を作ってもらいました。その時には、夫の借金を肩代わりしてもらった申し訳なさもあって、今回のことを私の家族には言わないこと、離婚をしないことを約束してしまったんです。その時は私に離婚の意思はなくて、父親にバレたらもっと大事になってしまうことを恐れて了承してしまいました。それに自分の家族を巻き込むことにまで発展したのだから、夫はもう二度と借金などしないと信じていました」
しかし、1年後に再び借金が発覚。裏切られた思いが強くなった朋子さんは実家に戻りますが……。
「もうここまでいったら両親に隠しておけません。私はすべてを話しました。そして、私の家族と夫の家族で話し合いの機会を持ったんです。
話し合いではまた、義両親が借金を立て替えると、また離婚しないくださいとお願いをされました。さらに、離婚したいと訴える私の姿を見ているのに、私の家族からは離婚してはいけないと説得されました。なんだか、私だけがわがままを言っているような光景でした。
どこまでも夫に甘い義両親、こんなに私が離婚したいと言っても世間体のために離婚を嫌がる両親。いつからか話し合いは夫を責めるものではなく、私を説得する場に。埒が明かないと思い、了解したふりをして2人の家に戻りました」
しかし、その日から気持ちが離れたまま、約6年間家庭内別居を続けていると語ります。
「もう二度と気持ちが戻ることはありません。今はどちらかの家族が亡くなるなどして、包囲網が無くなることを待つだけです」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。