室町時代の豆腐田楽にルーツを持ち江戸時代にはファストフードとして庶民に親しまれてきた「おでん」。今も昔も暖簾をくぐると“だし”の香がふわり漂う──そんな酒場で気取らぬ一杯を。

鶏がらがベース。都城おでん元祖の店

8時間煮込んだ豚なんこつは、箸を入れればほろほろと崩れ、口の中でとろける。たっぷり盛られて275円で、濃厚な食感は芋焼酎によく合う。

鍋で持ち帰る「おでん文化」

創業は昭和27年(1952)前後、初代が戦地から戻る前に大陸の密林にいたことから、店名を『ジャングル』とした。現在は、4代目の本野昌明さん(57歳)が店を仕切る。

初代が完成させた鶏がらベースの元だしを、日々注ぎ足して使い続ける。おでんに鶏がらを使うのは珍しい。本野さんはこう語る。

「都城では雑煮や煮しめも鶏がらのだしをベースにするので、おでんにも使うのはごく自然だったのでしょう。都城でおでんを専門に提供するようになったのはうちが最初です。次第に市内におでん店が増えていったと聞いています」

だしは濃厚に見えて意外にさっぱり、食材の味を引き立てる。おでんは通年で提供、夏場は塩分がやや多めに。
盛り合わせ2人分。中央はキャベツ、その周りに豚なんこつ、玉子、巾着、おやし、大根など13種のおでんがひしめき合う。直径約30cmの大皿に盛られて2500円。

店は開店間もなくしてすぐに満席。一方、鍋を持参してテイクアウトする客が次々に訪ねてくる。

「都城ではコンビニのおでんを買うときも鍋を持っていきます」

地元食としてのおでんと、テイクアウト文化を支える店でもある。

4代目の本野昌明さん(57歳)。

おでんジャングル

宮崎県都城市栄町8-6
電話:0986・25・2131
営業時間:17時30分〜22時30分
定休日:月曜(10月〜4月)、日曜(5月〜9月)
交通:JR日豊本線都城駅より徒歩約3分

取材・文/宇野正樹 撮影/松隈直樹

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