取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った未奈さん(仮名・33歳)は、29歳の時に紹介で出会った男性と結婚、現在は1年前に生まれた子どもとともに都内で暮らしています。付き合っている時から夫は毎年親戚を含めた家族旅行をしていて、入籍後はその中に未奈さんも加わります。結婚してすぐの参加となった1回目の家族旅行では大広間に全員で雑魚寝というところにやや戸惑ったものの、その中に加われたことの喜びのほうが大きかったとか。しかし2回目からは旅費の積み立てがあったり、行先は義両親の一存だったりと、不満がたまっていきます。
「夫は当然のように2人の共同の財布から積み立てると言い出し、あまりに普通なので反対することもできなくて……。そして、参加した旅行では大広間にみんなで二泊三日の旅の間ずっと一緒というプライベートは一切ない感じのもの。ただ疲れるだけの旅なんて行きたくないですよね」
義母の姉妹が旅行費を払っていないことが発覚!!
旅行中は同じ境遇の兄嫁と必然的に一緒に過ごす時間が増えていきます。そして、義姉から旅行について衝撃の事実を知らされます。
「旅行には義両親、夫の兄家族のほか、子どものいない義母の姉妹も参加していました。お義姉さんから聞いたのは、義母の姉妹2人は旅費を払っていないということ。そう言われて振り返ってみれば、近場の宿泊で車も1台は実家にある自家用車で、もう1台のレンタカーで行くのでそこまでお金はかかっていないと思いました。当然のように余ったお金があることさえ知らされていないので、戻ってくるわけもなく……。なぜ義母の姉妹分まで私たちが出さないといけないのか。考えれば考えるほど、もやもやからムカムカした気持ちになってきました。旅行中はお義姉さんだけが唯一の理解者で、一人だったら体調を崩していたと思うくらい、苦痛なものでした」
旅行中は買い食いひとつも気になり、お礼を言うことさえ嫌だったと振り返ります。
「2回目の旅行では栃木県に行ったんですが、牧場でソフトクリームを食べる機会があって、旅行中の買い食いはすべて義母が握っている財布から出してもらっていました。自分たちで出そうとしたら遮ってきたんです。仕方なくソフトクリームを買ってもらった時に、もちろんお礼は言ったんですが、これは誰のお金ですか?って考えてしまっていて。こんな些細なことを考えてしまう自分が本当に小さく感じて嫌なんですけど……」
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