子どものため離婚は回避。冷戦状態になったおかげで義母とも疎遠に
夫の話では、赴任は2年で終了するはずだったそうですが、その期間が延長されることに。その話を受けた由奈さんはどこかで少しホッとしたと言います。しかし、義母から告げられたある一言で大きな衝撃を受ける結果になってしまい。
「赴任期間が延長されると聞いた時、今さら一緒に暮らせるのかなって不安になっていたこともあり、このままでまだ大丈夫なんだと少しホッとしたんですよね。すでに破綻している夫婦生活に答えを出さないといけない気がしていたから。その答えに逃げていた私に、義母は『私が行きます』と言いました。義母は夫の赴任先へ移住してしまったんです。その行動は恐怖でしかなかったですよ。さらに、夫はその行動を一切止めることはなくて、あぁ私たち夫婦はすでに終わっていたんだなって気づかされた瞬間でもありました」
由奈さんは夫と話をするため、初めて夫の赴任先へ子どもを連れていきます。義母の態度は由奈さんをお客扱いそのもの。離婚の話が出た時、夫と義母は当然のように息子を引き取ると主張してこられ、実家で祖母と子どもの世話をして無職だった由奈さんは言いくるめられそうになったとか。
「子どもには私がいじめられているように映ったのか、かばってくれたんです。まだ小さくて何の話をしているかの理解はできていなかったとは思うんですが。その子どもの態度を見て、話し合いは保留になり、夫とは子どものためにもう一度やり直そうということになりました。でも、それはかたちだけ。子どもが大きくなるまでだと思っています」
現在も別居状態だという由奈さん家族。義母との関係はどうなのでしょうか。
「冷戦状態みたいな感じですね。夫は別の赴任先へ転勤になり、まだ大阪に帰ってきてはいませんし、義母もついていったっきりです。夫とはたまに連絡を取っていますし、お金も養育費の決まった額を振り込んでもらっています。すでに離婚しているような状態ですが、今はどちらも子どもと会えるので、揉めたりはしていません。
また、最初こそドン引きした義母の赴任先移住ですが、赴任先へ通っていた時はあった逐一報告がなくなった分、本音を言うとあの時より今のほうがよっぽどマシです。子どもと暮らすという一番の願いはかなっているので、結婚生活の中で今が一番幸せかもしれません」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。