新着記事

死亡率は1割ほど 「10数えてズドン!」は大間違い。アメリカのリアルな「決闘」ルールとは? 隣り合っていながら絶対に負けられない「犬猿県」の終わりなき戦い 静岡vs山梨、千葉vs埼玉|絶対に負けられない「犬猿県」の終わりなき戦い 山本益博|「江戸前」の握り鮨は、「まぐろ」がないと始まらない。【食いしん坊の作法 第13回】 快適に過ごせる靴との出会い 実践!正しい靴の履き方講座【快適に過ごせる靴との出会い vol.1】 家の中の危険をチェック! ほとんどの事故は家庭内で起きている 家の中の危険をチェック!高齢者事故の8割は家庭内で起きている サライ世代に聞いた「読み直したい古典」ランキング パワハラ上司、クラッシャー上司のトリセツ 【ビジネスの極意】パワハラ上司、クラッシャー上司のトリセツ 知っておきたい賢い支出の見直し方 生命保険料、NHKの受信料|賢い支出の見直し方 新幹線大爆破 世界に誇れるパニック映画 『新幹線大爆破』【面白すぎる日本映画 第24回】 JR北海道全線踏破10日間の旅 10日目・最終日《苫小牧から様似(えりも岬)・その2》【実録・JR北海道全線踏破10日間の旅】

サライ本誌最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

全国の美味がお取り寄せいただけます

暮らし

【娘のきもち】上京を一度は反対した父の本音「すぐに駆けつけてやれないから」~その2~

取材・文/ふじのあやこ

家族との関係を娘目線で振り返る本連載。幼少期、思春期を経て、親に感じていた気持ちを探ります。~その1~はコチラ

今回お話を伺ったのは、都内にある企業でテレアポの仕事をしている百合さん(仮名・30歳)。岡山県出身で、両親と5歳下の弟がいる4人家族。小さい頃から家族仲は良く、大学進学時にも家族のお願いもあり、新幹線通学をしながら実家に残ることを選びます。そして大学3年になった時に初めて一人暮らしをスタートさせます。

「2年まで新幹線通学をしていたんですが、学校行事などで遅くなることも多くて岡山から通うことに限界を感じていました。そんな思いもあり、3年になる前に一人暮らしをしたいと母親に相談したら『寂しい』という言葉が返ってきて。そして直接は伝えてないけど母親から私のことを聞いた父親は『寂しいな、遠いな』ってボソっと言ってきて。反対されることはなかったけど、2人とも寂しさを全面に出してきている感じでした(笑)」

神戸に残って就職。そして退職。音楽活動を続けることを誰よりも応援してくれていた

百合さんは3年より神戸で生活を始めた理由はほかにもありました。それは友人たちとバンドを組み、音楽活動をしていたこと。しかし音楽活動一本で生活することを選ばずに、大学卒業後はある銀行に就職します。

「バンド活動は知り合いに曲を書ける人がいて、知り合いを集めて始めた感じです。私はボーカルで、小さいライブハウスなどで活動していたんですが、仲間と何かを作り上げることがとても楽しくて。両親ももちろん知っていましたよ。でも、やっぱり四大を卒業してフリーターになる覚悟はなかったので就職活動をして、採用された関西の地方銀行に就職しました。銀行にした理由は特にありません。外大ではロシア語を専攻していたんですが、語学を活かした就職が特にしたいわけでもなくて……。入れるところに入った感じですね。両親は就職は喜んでくれましたけど、やっぱり最後には『地元に戻ってこないのか……』とボソっと言われた記憶が残っています」

働きながらもバンド活動を継続していた百合さん。24歳の時にインディーズでCDを出すことになり、そのCDのジャケットデザインを担当したある男性と出会います。その男性との出会いで百合さんは上京を決意したそう。

「24歳の時には銀行をやめて、別会社で事務の仕事をしていたんですよ。銀行を2年でやめたのはバンド活動がバレて、少しですが収入もあったことで少し問題にもなってしまって。相談もなく仕事をやめた時も両親は『好きなことができないなら仕方ないよね』と応援してくれました。

出会った男性は8歳上で元々東京の人で仕事を頼んだ縁で仲良くなり、遠距離だったものの何度か会って好きになり、付き合うようになりました。そして2社目の仕事をやめたことを機に上京を決意したんです」

音楽活動最終日に届いた花束と手紙。そこには労いの言葉が溢れていた

東京への上京に両親は大反対。大反対した理由は何もかも正直に話してしまったことだと百合さんは語ります。

「東京に行って、彼氏と暮らしますって正直に伝えたんですよ。そしたら、今までは認めてくれていた両親は大反対。先に仕事を見つけていないことも納得いかなかったようで。私は向こうでも音楽活動をしたかったのでアルバイトをするつもりだったんです。1か月ぐらいは冷戦状態が続いたと思います。

先に折れたのは両親から。30歳手前までと自分で決めてやりたいことをしたいと伝えて、それを認めてくれた感じです。東京に送り出される時、父親は『ダメになったら、いつでも帰ってこい』と言ってくれました。反対していた理由についても、『何かあってもすぐに駆けつけてあげられない』と。すごくありがたかったですね」

百合さんは上京後、アルバイトをしながらバンド活動を継続します。そして28歳を迎えた時に最後のライブを都内で行います。そこには両親からの手紙と花束が届いていたと言います。

「『お疲れさま。やりきったと思えたならよかった』という言葉が入った手紙と、花束がライブ会場に届いたんです。びっくりですよ。私は何も知らされていませんでしたから。本当に嬉しかったです。いつでも背中を押し続けてくれた両親には感謝しかないですね」

百合さんはその後、上京のきっかけを作った男性と結婚。結婚には反対しなかったものの、結婚式の二次会で父親は『帰ってこいよ』という歌を熱唱し、寂しさを全面に押し出していたとか。百合さんは「旦那さんに惹かれたところはとても優しいところ。私をとても大切にしてくれるんです。父には言ってないけど、小さい頃から手に職を持っていた父親は私の理想でした。それに昔から今でもずっと母親をとても大切にしています。その優しい部分は父親と旦那はよく似ているんですよね」と笑顔で語ります。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

  1. 【娘のきもち】ぶつかることを避けた母との関係。その修復のきっかけは父の死だった~その2~

    【娘のきもち】ぶつかることを避けた母との関係。その修復のきっかけは父の死だった~その2~

  2. 【娘のきもち】両親の離婚後もかわいがってくれた父。しかし会えなくなって数年後に見た姿は他人のようだった~その1~

    【娘のきもち】両親の離婚後もかわいがってくれた父。数年後に見た姿は他人のようだった~その1~

  3. 【娘のきもち】上京を一度は反対した父の本音「すぐに駆けつけてやれないから」~その2~

  4. 【娘のきもち】いつも側に寄り添ってくれた父。彼氏のことも話せるぐらい、その距離は近かった~その1~

  5. 【娘のきもち】「もうあんな父親の姿は二度と見たくない」母と同じ病を、隠し続けると決めた~その2~

  6. 【娘のきもち】小学生の時に病気で亡くなった母、その悲しみを隠すように異様に明るくなった父。その姿が痛々しかった~その1~

  7. 【娘のきもち】夫の借金とギャンブル依存に悩んでいたとき、寄り添ってくれたのは父だった~その2~

  8. 【娘のきもち】「人がする仕事じゃない」初めての就職先に向けられた父親の言葉。その偏った考え方が大嫌いだった~その1~

  9. 【娘のきもち】病気の母親は娘の帰郷を喜んではくれなかった。大学中退後、久々に会話をした親娘は……~その2~

  10. 【娘のきもち】「お姉ちゃんでしょ」と厳しく躾けられた学生時代。いつからか家族団らんに私はいなかった~その1~

  11. 【娘のきもち】彼との同棲は言えなかったけど……いつも意思を尊重してくれる父に見守られた20代~その2~

  12. 【娘のきもち】母親を名前で呼ばない父。家事を一切手伝わない父。こんな人とは結婚したくないと思った幼少期を経て~その1~

  13. 【娘のきもち】心配をかけたくない思いから病気のことを隠す父、そして約束を守り続ける母。家族だから心配をかけてほしかった~その2~

  14. 【娘のきもち】転勤族の父親の“せい”で繰り返す転校。多忙な父との会話は成績表に貼られたメモだけだった~その1~

  15. 【娘のきもち】娘の離婚にも気丈に振る舞う父。辛い経験を過去のものにできたのは父の言葉だった~その2~

  16. 【娘のきもち】今まで放任だったのに、専門学校に進みたい私を許さなかった父。父親は会話が成立しない人なんだと認識した学生時代を過ごし~その1~

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 【娘のきもち】ぶつかることを避けた母との関係。その修復のきっかけは父の死だった~その2~ 【娘のきもち】ぶつかることを避けた母との関係。その修復のきっかけ…
  2. 【娘のきもち】両親の離婚後もかわいがってくれた父。しかし会えなくなって数年後に見た姿は他人のようだった~その1~ 【娘のきもち】両親の離婚後もかわいがってくれた父。数年後に見た姿…
  3. 【娘のきもち】いつも側に寄り添ってくれた父。彼氏のことも話せるぐ…
  4. 【娘のきもち】「もうあんな父親の姿は二度と見たくない」母と同じ病…
  5. 【娘のきもち】小学生の時に病気で亡くなった母、その悲しみを隠すよ…
PAGE TOP