自分の子どもがこのままでは片親になってしまうことに、夫は気づかない

子どもが少し大きくなってくると秀美さんは派遣の時短勤務を開始します。しかし、旦那さまは仕事を理由に子育てにそこまで協力的ではありませんでした。それをサポートしてくれたのも母親と義母だったそう。

「夫の中で母親に育ててもらいたかったという思いから、子育ては母親がするべきだという考えがあるんですかね。でも、夫はお給料が安いから、子どもがお金のかからないうちにできる限り貯金をしたくて、働きに出ることにしました。そのサポートも母親と義母がしてくれたんです。幼稚園に預けていたものの迎えの時間ギリギリまで働いていたから、買い物に行く時間だけでも子どもを見てくれるだけでもだいぶ違いますからね」

両親や義母の協力があってこその共働きの子育てができていたのに、お盆やお正月は滋賀県の義父の元で過ごしていたとか。きっかけは、夫から不公平さを訴えられたことだったと言います。

「夫から、『君の両親の側に引っ越しすることは折れたんだから、イベントはたまにしか会えない義父を優先してほしい』と言われました。言っていることもなんとなく理解はできるんですが、貸しがあるみたいな言い方をされて少しイラっとしましたよ。でも、ここは私が折れてあげようと思って、従いました。両親も義母も近くにいるのにイベントで孫に会わせてあげられないって、申し訳ない気持ちがありましたね」

そして現在は、義父が体調を崩している状態で旦那さまは定期的に滋賀県に帰省しているとのこと。1人で帰省している理由は秀美さんが一度嫌がったことが影響しているそうです。

「夫が行けない時は、私に一人で行けっていったんです。それは嫌ですよ。拒否したら、意地をはるようになって子どもとの時間よりも義父に時間を割くようになってしまって……。そして、関西で仕事を探したりしているようで、向こうで暮らしたいと言われています。私はどうしても行く気になれなくて、夫からは『じゃあ離婚も視野に入れて話し合おう』と伝えられている状態です。別れたくないけど、義父と同居はしたくない。年老いた親を放っておけない気持ちも理解できますが、親を気にする前に自分も親だということをもっと理解してもらいたい。片親だと自分の子どもよりも、親とのほうが結びつきが強くなってしまうものなのでしょうか。私には理解できなくて、本当に困っています」

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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