取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

不妊を経てやっと授かった37歳の時の子。両親はとてもかわいがってくれた

今回お話を伺った、秀美さん(仮名・39歳)は、32歳の時に前の職場で知り合った男性と結婚。現在は都内で5歳になるお子さんとの3人暮らしをしています。結婚してすぐに子宝に恵まれたものの、夫婦生活を心から順調だと思えたのは子どもが生まれる前までだったそう。さらに1年ほど前から義父のことで旦那さまともめていて、離婚するべきか考える毎日だと言います。

「夫の両親は離婚していて、夫は義父に育てられました。義母とは大人になってから交流をとるようになったようです。一人暮らしの義父が体を悪くしてしまい、夫は定期的に地元に帰って世話をしています。そして、帰る度に地元で生活できるように整えていたみたいで、私に一緒に義父の世話をしろと言うのです」

秀美さんは都内出身で、両親との3人家族。小さい頃に覚えているのは父親と母親を取り合っていたこと。よく夫婦のベッドに潜り込むなど、両親のことは大好きだったと振り返ります。

「両親は同い年で、私は37歳の時の子なんです。なかなか授からず、流れてしまったこともあったみたいで、私が生まれた時はとても嬉しかったと両親はお酒を飲みながら今でもよく話しています。勉強にはうるさかったけど、優しい母親のことが大好きで、覚えているのは父親とよく母親のことを取り合ったことですかね。両親が同じベッドで寝て、自分だけが別の部屋で寝かされるのがどうしても納得いかなくて、小学校高学年ぐらいまで夫婦のベッドから父親を追い出して、母親と一緒に寝ていました。父親は私が枕を持って部屋に来ると譲ってくれるようになりましたね(苦笑)。父親は私のベッドで寝るわけにもいかなかったのか、よくベッドの下に布団を敷いて寝ていました」

両親とは秀美さんの結婚への催促が原因で一時連絡を取り合わない時期もあったそうですが、今では関係も良好で、子どもの面倒もよく見てくれているとか。

「私に早く結婚して、いち早く子どもを作ってほしかったみたいで、20代半ばぐらいから結婚についていちいち聞いてくるようになったんですよ。私も普通に結婚願望はあったのでしたいとは思っていたけど、言われるようになった時期はまだ遊びたい時期でもあって、重荷でした。あまりにしつこいから、会社は実家から通えるところだったけど一人暮らしを始めたほど。そのくらい一緒にいるのが一時は嫌でした。でも、それが伝わったのか、たまに帰るような関係になるとあまり口出ししてこなくなりました。両親との関係が悪かったのはあの時期ぐらいでしたね」

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